エルドアン、ギリシャ東トラキアのトルコ系住民に演説
2017年12月08日付 Milliyet 紙
レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、(ギリシャの)ギュムルジネで(コモティニ)トルコ系住民に向けて演説した。トルコ系住民に、ローザンヌ条約やEUの法、世界人権宣言のあらゆる権利を活用するよう望むと強調した。
「ギリシャで最も重大な問題の一つは、宗教指導者の問題だ。任命を受けたムフティーが就任している問題がある。このことはローザンヌ条約に無かった内容だ。我々の国ではこのような状況は存在しない。なぜ我々のムフティー長が、任命方式で職に就いているのか?」
レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、ギュムルジネで東トラキア在住のトルコ系住民の集会で演説した。
「ギリシャとの関係修復は非常に重要だと認識しています。アテネでパブロプロス大統領とチプラス首相と会談しました。二国間関係の修復とともに、皆さんの権利についても話をしました。皆さんがあらゆる機会を利用するよう望んでいます。その際、EUの法が適用されるよう期待しています。我々は、ギリシャ系トルコ国民の生活の質も向上するよう努めていますが、同じような取り組みをギリシャに期待してもいいだろうと考えています。」
■ローザンヌ条約の刷新が必要だ
「ギリシャでの最も重大な問題の一つは宗教指導者の問題です。任命を受けたムフティーが就任しているというのは問題です。このことはローザンヌ条約にも無かった内容です。我々の国ではこのような状況は存在しません。なぜ、我々のムフティー長が、任命方式で就いているのでしょうか?
ローザンヌ条約について、我々が何かいうと、『この条約はトルコ・ギリシャ間での条約ではない。11か国間で結ばれた条約だ。これにより、エーゲ海の方がわはトルコに、また方がわはギリシャ(と決まったのだ)』に(といいわれます、しかし)、それでは(11か国に含まれる)日本はこれに何の関係があるのか?イギリスは何の関係があるのか?ローザンヌでは11か国が会議に参加しましたが、それとこれとは別問題です。刷新が必要です。島の問題や領土問題として見る必要はないのです。」
■我々のやり方は違う
「教育の問題、ムフティー庁の問題…我が国ではそのような問題は起きていません。トルコ在住の)ギリシャ正教司教が外国に出ようとすれば、エユプ区長に届けなければなりませんが、我々はこれを運用していません。疑心暗鬼から互いを監視する意味などありません。そうしたことは止めようではありませんか。互いを信頼の目で見ましょう。我が国にはポマク人もロマの人々もいます。我々の共通の土台は、イスラムであり、ムスリムです。だから我々は一体であり、共にあるのです。我々は創造されたものを、創造主ゆえに愛します。誰かががそれに反対するというなら、我々はその者を咎めることでしょう。」
■委ねられたものを、自分の目のように(大切に)扱わねばなりません
「皆さんはギリシャ国民であるがゆえに、EUの恩恵も受けています。皆さんの成功は我々にとっても誇りです。皆さんが西トラキアで同じ思いで働くことで、ギリシャ経済にも恩恵がもたらされるでしょう。条件が何であれ、私の望みは、我々が一体で、共にあり、友好、協調の関係にあることであり、互いに協同することです。政治的、経済的危機は、我々の地域にある事実です。全てが過ぎ去った時、残るものは唯一、心の繋がりと信頼だけです。それを確信すればこと、あらゆる論争を、ともに乗り越えることができます。ローザンヌ条約は、両国で生きる少数派を、トルコへ、そしてギリシャへん委ねました。この委ねられたものたちは、両国は、自分の目のように大切に扱わねばなりません。」
■議員4人はもっと汗をかかなければならない
エルドアン大統領は、ギュムルジネ訪問で西トラキアのトルコ系住民にアピールを行った。大統領は同地での発言の中で、「信仰のある者は、信仰の自由を恐れない。思想のある者は、思想の自由を恐れない」と語った。
エルドアン大統領の演説の概要は次の通り。
「以前は首相として来て、現在は大統領として来る機会に恵まれました。血のつながりのある皆さんとこうして集まるのは本当に有意義なことです。皆さんはここで、皆さんの土地、アイデンティティ、人格において、存在を維持する戦いを続けてこられました。昨晩、我々の一団はギリシャ大統領と素晴らしい会談を持ちました。首相閣下とも、同様に素晴らしい会談を持ちました。
我々の希望はこうです。我々は、昔からの言い方に従えば、「隣人」ということになります。トルコ‐ギリシャの間の、いわば皆さんは架け橋です。我々は皆さんをそう見ています。現在、ギリシャ国会にはトルコ系議員が4人います。今、その議員4人は様々なことを実行していかなければなりません。皆さんの問題を取り上げ、前進させなければならないのです。昨日、私はいくつかの問題を取り上げました。我々の希望は、大統領閣下や首相閣下がそうした問題を解決し、ギリシャ国内の連帯や一体性、協調をより強固なものにすることです。」
■思想のある者に恐れはない
「例えば、我が国ではギリシャ系国民に関して、問題は起こっていません。例えば、かつて没収されたギリシャ系国民のワクフ財産は、我々が成立させた法案によって、全て支払われるか返還されました。宗教の信仰者は、宗教の共和を恐れず、思想を信じる者は、思想ある共和を恐れないのです。」
■若者たちへの勧め:一人前であれ、自らの出自を意識せよ
「トルコは、民主的で、政教分離の、社会的な法治国家です。同様にギリシャもそうです。EUの枠でギリシャへの支援があります。同様に、NATOにおいては我々もギリシャを支援しました。その協調を支援していかなければなりません。今ここで親愛なる我らが同胞の、若者たちの姿を見ることができることは、非常に重要です。
若者の皆さん、君たちに2点勧めたいことがあります。メフメト・アーキフは語りました。『老人の話を聞いてはくれないだろうか、子供たちよ。大きな声でいったり、多くを語る必要はない。若者よ、必要なのは次のことだ。おしゃべりで、腹のでた連中の真似をするな。しっかり語るものは、自身がしっかりしているということだ。大人であれ、自らの出自を意識せよ。』これはメフメト・アーキフの勧めですが、私の勧めもまさにこれです。学べ、考えよ、結果をだせ、です。」
■クルマハッレ・モスクで金曜礼拝
エルドアン大統領はギリシャ訪問中、昨日の首都アテネでの会談後ギュムルジネに移動し、金曜礼拝のためクルマハッレ・ジャーミィを訪れた。ジャミィのあるクルマハッレ訪問で、大統領はギュムルジネのムフティー・イブラヒム・シェリフ師、イスケチェのアフメト・メテ師や、トルコ系少数派組織の指導者らに迎えられ、子供たちから花を贈られた。
エルドアン大統領は、「まっすぐ前を!アッラーは汝と共に」「レイスは、汝に、我が心を捧げよう」の喝采で迎えたトルコ系住民に近づき、挨拶を交わした。
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( 翻訳者:貝瀬雅典 )
( 記事ID:43921 )