■別の人生への無料切符…知識人を魅了するバールベックの歩道上のアブー・アリーの本
【バールベック:ウィサーム・イスマーイール】
新しい本に古い本、黄色いページの端々はボロボロになっており、哲学、歴史、戦争、愛、政治、経済やその他の言葉で埋め尽くされている。様々な色や版のこれらの本は、バールベックのラッス・アイン通りのバールベック郵便局とシーア派裁判所沿いの歩道に広がっている。これの本は、バールベックと周辺の町や村の若者文化の新旧の源を形成している。
アリー・ナハリー町の住人で60代の愛すべき学者「アブー・アリー」は、夜明け頃から夕方まで、毎日、自分の本のそばに立つ。本は、布の上に車の中にと、歩道上に上手に並べられる。安かったり、珍しかったりするが、彼曰く最高の本を探す人を待つ。
「アブー・アリー」は、20年以上前から同じ歩道の上で本を売っている。本は、毎日車で運んでいる。歩道の上に陳列しているものが何なのか、それらの本当の価値が何なのかを知っている人は、もはや限定的な知識層しか存在しないと彼は言う。それゆえ、知識人たちは彼のもとへ行き、そこで通行人たちは驚きのために置かれたものの全てを読む。本は、彼らに別の人生への無料切符を与えるのだ。
数百の本、革製本、新聞は「アブー・アリー」が所有するものの全てで、歩道の上と車の中にある。これらは、バールベックの文化的な小さな本屋を独特のスタイルで構成し、学問と知識を求める貧しい人や裕福な人を魅了する。そこで彼らは、異なる学問や知識に関する数千の最近の本や古い本の中から、探し回っていたものを発見するからだ。
(後略)
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( 翻訳者:加藤璃空 )
( 記事ID:43929 )