■レバノン治安部隊はアメリカ大使館付近のデモ鎮圧のために催涙ガス弾を使用。
【ベイルート】
レバノンの治安部隊は10日(日曜日)、エルサレムをイスラエルの首都と認めるアメリカのドナルド・トランプ大統領の決定に対するデモの間、在レバノン米大使館付近のデモ隊を解散させるために催涙ガス弾と放水法を使用した。
ベイルート北部のアウカル地域ではデモ参加者が、アメリカ大使館に通じる大通りに展開する治安部隊に向けて放火や投石を行った。一部のデモ参加者はパレスチナの旗を振っていた。
「レバノン共産党」のハンナ・ガリーブ党首はデモ参加者に向けた発言の中で、アメリカは「パレスチナの敵である。米大使館は帝国主義の攻勢の象徴である」とし、米大使館は閉鎖されなければならないと語った。
デモ参加者はアメリカ国旗とイスラエル国旗を燃やした。
デモに参加したパレスチナ解放民主戦線の高官アフマド・ムスタファー氏は「アメリカ大使館はアウカルにおける侵略の大使館である。エルサレムはアラブのものであった。これからもアラブのものであり続ける」と語った。
トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことは、アラブ側の怒り、また今次の措置に対する国際的な非難を引き起こした。アメリカと同盟を結ぶ西側諸国はこの措置を非難しており、「この措置は和平に向けた努力への打撃であり、中東における暴力をエスカレートさせる危険を冒している」と述べている。
レバノンのジブラーン・バシール外相は昨日(土曜日)、アラブ外相会議において「アラブ諸国は、アメリカに経済制裁を課すことを考えなければならない。イスラエルにある米大使館をエルサレムに移すことを防ぐためだ」と述べた。
これに加えて同氏は「アメリカの決定に対して、外交措置にはじまり政治的な調整から経済・金融制裁に至る措置を講じる必要がある」と述べた。
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( 翻訳者:高橋宗平 )
( 記事ID:43945 )