トプカプ宮殿で新発見ーメフメト2世時代のハマム跡
2017年12月14日付 Hurriyet 紙


トプカプ宮殿における遠征軍病棟の修復作業において、スルタン・メフメト2世が浴室として使用したスルタン専用のハマムが発見された。1460年頃の宮殿建設時に作られたハマムの基礎部分の遺跡が発掘された。

遠征軍病棟の修復のため行われた発掘調査により、歴史的な発見がなされた。宮殿建設時に作られ、5人のスルタンが使用したハマムにたどり着いた。1460年頃に宮殿が建設された際に作られたハマムの温度調整を行っていたと思われる部分の、基礎部分の遺跡が姿を表した。

このハマムは、1580年頃にハーレム内にスルタン専用のハマムが建設されるまで、メフメト2世やベヤズット2世、セリム1世、スレイマン1世、そしてセリム2世が使用していたと考えられる。温水と冷水の水道管がはっきりと確認できるこの歴史的ハマムの遺跡はそのまま保存され、上部をガラスで覆う形で観光客らに展示されることになる。以前から一部の文献上で記述されていたハマムの存在が、今回初めてその姿を表した。

■当初は旧ローマ時代のものと思われた

トプカプ宮殿について記載のある国内外の文献で言及されていたスルタン専用ハマムの基盤部分の遺跡は、修復作業中に偶然発見された。宮殿の遠征軍病棟として知られる部分で始まった修復作業の際、建物の現在の構造を強化するため床を取り除き、運搬装置を宮殿の基盤部分まで下ろした。土砂を取り除くと、その下から異なる時代の遺跡が表出した。当初は、これらの遺跡は旧ローマ時代のものと考えられていたが、発掘作業が広範囲化するにつれて様々な文献で言及されていたトプカプ宮殿の最初のハマムであることが判明した。1972年に行われた修復作業でイルバン・オズ建築家が言及したハマムの温水システムであることがわかった。その他にも、メフメト2世時代のトプカプ宮殿について記述した外国文献において、「鉛製のドーム型天井に、大理石のインテリア、温水と冷水の噴水に、黄金の洗面器が置かれたハマム」として描かれていた。1580年代にスィナン建築家によってハーレム内に新たなスルタン専用ハマムが作られ、このハマムは使用されなくなった。

イスタンブル文化観光局のチョシュクン・ユルマズ局長とトプカプ宮殿の博物館館長であるムスタファ・キュチュカシュチュ教授引率のもと、発掘作業が続くハマム内を見学した。遺跡では温水と冷水の水道管を見ることができる。ハマムの冷浴所は、スルタンの居室の下へまっすぐ続いている。修復作業が完了したら、このハマムの遺跡上がガラスで覆われ、観光客らが見物できるようになるという。
ユルマズ局長は、今回の発見について次のように話した。「ここはメフメト2世時代に作られた巨大なハマムであり、エンデルン・ハマムとしても知られています。16世紀初頭に閉鎖され、宮廷使用人らの病棟スペースが作られました。その後、遠征軍病棟に変わりました。共和国時代に入ってから修復作業が行われた際にもこのハマムが発見されましたが、上を塞がれてしまいました。したがって、科学的には今回初めてこの修復作業中に全容が明らかになったことになります。ここから熱浴室の部分が見えていますが、その横には冷浴所があります。メフメト2世の時代にもこのハマムは使用されました。ここが最初に作られたハマムであると考えています。その後、ハマムはハーレムの中に移動します。遠征軍病棟の修復作業も適切に行われつつ、ハマム遺跡も保存されることになるでしょう。」

■見学できるようになる

トプカプ宮殿博物館の館長であるムスタファ・キュチュカシュチュ教授は、以下のように話した。「以前から一部の文献で記述されていましたが、今回初めてこの修復作業の中で確認することができました。現在、この遺跡を見学できるような状態にしたいと考えています。メフメト2世の足跡があるということが、さらに重要です。ハーレム内にあるハマムは、1580年代に作られたと推定されています。婦人用ハマムとスルタン専用ハマムは隣り合わせで作られました。同じ加熱炉で運用されていたのです。しかしこのハマム(婦人用ハマム)が作られると、最初のハマムは使用されなくなりました。遠征軍病棟内のハマムには、『セリム2世のハマム』という名が付けられます。」

■いつでも利用可能

1505年にオスマン帝国の捕虜となり、旧宮殿で宮廷使用人として暮らしたジェノヴァ人のジョヴァンニ・アントニオ・メナヴィーノは、著書の中でハマムについて以下のように記述している。「ハマムはきれいな丸いアーチ型を描いている。中央には2人の男の顔で巧みに作られた排水管から冷たい水が流れる白い大理石のプールがある。プール上部には片方から水、もう片方からお湯が流れる2本の蛇口が備え付けられたそれほど大きくもない洗面器がついている。ハマムはいつでも利用できる…。」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:43972 )