■レバノンにおいて廃棄物が診断不可能な健康被害を引き起こす
【ベイルート:イーナース・シャリー】
「その匂いがすると、白い煙が私たちの建物を囲みながら昇っていき、いつも夜に焼却が始まります。そして夜明けまで続きます。だから私はバルコニーに走って洗濯ものをしまい、窓とドアを閉めます。しかしその匂いと煙は残ります。エアコンをつけることができず眠れません。朝まで起きたままで、まるで窒息しているようです。」
これは、今月初頭にヒューマン・ライツ・ウォッチが発行した報告書で紹介された、あるゴミ山の近くに住んでいるライラが話したことだ。
この報告書では以下のことが書かれている。レバノンの廃棄物処理は基本的に埋め立て処分や野外のゴミ山への処分、野外での焼却処分に依存している。ほぼ全ての廃棄物が収集されているにも関わらず、リサイクルされているのはそのうちのわずか8%、たい肥にされるのはは15%だ。残りの77%は野外のゴミ山に行くか埋められている。こうした廃棄物処理の方法は、とりわけ最貧困地域において環境と健康に悪影響を及ぼす。
この報告書によると、ゴミ山のそばに暮らす家族は、野外での廃棄物の焼却が彼らの生活の多くの面に影響を及ぼしたと述べている。一部の家族は、外で時間を過ごすことができず、煙のせいで睡眠をとることが難しいと語ったという。また他の家族は、焼却時に家から出ざるを得ないという。
(2)に続く
この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:宮下香純 )
( 記事ID:43980 )