パレスチナ:東方正教徒がエルサレム総主教の解任を求めて立ち上がる
2018年01月07日付 al-Hayat 紙
総主教の車列に卵を投げつける正教徒らを制止する治安当局(写真提供:AFP)
■パレスチナの正教徒が総主教に対して蜂起
【ラーマッラー、ガザ:本紙】
パレスチナの東方正教徒のデモ隊は昨日(6日)、降誕教会で東方正教のクリスマスを祝うためにベツレヘムに入ろうとするセオフィロス3世エルサレム総主教の車列を襲った。デモ隊は、総主教が複数の入植者協会に教会所有の資産を横流ししたと非難している。
警察はデモ隊が総主教に接近し襲い掛かるのを防いだが、デモ参加者数名は車列車両数台の窓を破壊し、一部の車両に石やゴミ、卵を投げつけた。ベツレヘム、ベイト・サーフール、ベイト・ジャーラーの市長らは総主教との関係を絶ち、例年はクリスマスの日に総主教が訪れるのを歓迎していたが、今年はこれを拒否した。
ベイト・ジャーラーのニコラ・ハミース市長は、教会コミュニティーは土地の横流しという犯罪を働いたセオフィロス総主教を即刻解任すべきであると述べ、市民は同総主教に憤りを感じており、教会で彼の姿を見たくないと思っていると述べた。
正教徒数十名は早朝から降誕教会に続く大通りで座り込み抗議を行い、総主教がベツレヘム入りし同教会に到着するのを妨害しようとした。これに対し当局は警官数十名を投入し、総主教の車列を警護し走行を可能にした。しかし、デモ隊は総主教が教会に到着すると、「裏切者、裏切者」と大声で叫んだ。
座り込み抗議はキリスト教東方正教会会議と複数の正教会系機関による呼びかけで行われた。これらの組織は、総主教の歓迎をボイコットすること、および総主教を解任することを要求した。
キリスト教東方正教会会議の活動家らは本紙に対し、教会に寄進された資産が入植者機関・協会に売却または貸し出されていた取引の背後に、セオフィロス総主教がいたことを確認する文書を収集したと述べた。これらの取引の中には、「ヤッファ門の取引」と呼ばれる取引も含まれており、同取引では被占領地エルサレムにあるホテル「ペトラ」と「インペリアル」や複数の商業店舗が入植者協会に売却された。さらに、エルサレム旧市街内の建物数軒や、市内各所の土地も取引の対象となり、ターリビーヤ地区やマスラバ地区、キング・デービッド・ストリート、ベル・パーク周辺の土地を含む500ドゥナム(約50万㎡)分の土地の取引も行われた。このような背景から、昨年(2017年)300名以上の正教徒が、セオフィロス総主教に対し訴訟を起こすことをパレスチナ検事総長に申し出た。
(後略)
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( 翻訳者:北本芳明 )
( 記事ID:44114 )