クルチダルオール氏、再びCHP党首に選出
2018年02月04日付 Hurriyet 紙


共和人民党(CHP)の第36回定例大会においてケマル・クルチダルオール氏が、790票獲得し、今回で5度目となる党首選出となった。ムハッレム・インジェ氏は、447票獲得した。1266人の代表議員の中で、1253票が有効、残り16票は無効とされた。

 クルチダルオール氏は勝利宣言後、登壇した演台でのスピーチで感謝を述べ、その中で戦没者たちを追悼した。

■眠れなくなるものもいるだろう

「私が担うことになった任務の責任を十分に知っている。それはありふれた任務ではなく、非常に重要なものだ。この国の国民一人一人の権利、法、公正さを確保するために、あらゆる戦いをすると約束する。今日我々が置かれている状況で、CHPに党首を務めることは並大抵のことではないと、非常によくわかっている。誰かが眠れなくなることもあろう、それも十分承知している。だが、我々は正しい主張を最後までし続ける。

■安心を国民に広げよう

この先のことの推移は、普通のものではない。困難な状況で戦いを挑む。国を愛する全ての国民は、困難な状況で戦いを挑む中、我々に味方して欲しい。我々はこの国で平和裡に自由に暮らしたいのである。安泰を、全土の国民に広げよう。

■アフリーンの戦没者を悼んだ

今夜は7人の戦没者がいる。6人はアフリーンでだ。本当に我々皆とても悲しい気持ちである。勇敢な兵士たちに感謝している。アッラーの慈悲がありますように。ご遺族、国民にお悔やみ申し上げる。彼らの戦いは、トルコと未来に対する戦いである。彼らは我々の誇りである。我々はこの地を戦没者の血で洗った。トルコを光に引き出し、トルコを積年の問題から救う方法は、我が国のために何かすることから始まる。積年の問題があり、この問題を起こした者は、今日のトルコを治めている。この責任を問うのは我々の義務である。

■誰でも歓迎する

他の我々の友人が立候補するかもしれない。しかし、誰も忘れないでほしい、我々と同じように投票しなかった友人達のことも考えている。誰も差別などしない。8千万人の信用を得ることが我々の役目である。」

■シリア政府と連絡を取る

CHP党首は、会議でおこなったスピーチで、シリア領土保全に関してシリア政府と連絡を取るよう要請をした。アフリーン作戦に関して、「一部の者はこの作戦を党の決定事項のように見せようと努めている。戦いはトルコのためであり、あなたのためではない」と述べるクルチダルオール党首は、総じて以下の通り述べた。

■ムスタファ・ケマルの軍

「共和国史上最も困難な状況の一つを我々は経験している。この大会は、トルコを直面している問題から抜け出させる大会である。この広間の中には、テロ組織によって欺かれた人々、交渉の場を作った人々、テロ組織と同じ様に歩んでいる人々、自国で税金を払わぬためにマン島に会社を作った人々はいない。この場には、誠意のない人びとと同じくらい、勇敢になると誓う誇れる人々がいる。このため、公正と勇気[の人びと]といえよう。

2002年にテロ組織の基盤は壊され、テロは無くなった。今日の社会的平和を脅かすテロは、狭い土地から出てより広い土地で存在を誇っている。アフリーンには我が軍があり、心や祈りも彼らと共にある。アフリーンは国民の姿勢を窺わせる。

■孤独化したトルコ

第二の問題は外交だ。トルコの孤立化という構図に直面している。国民に『彼らが我々を騙した』という人びとがトルコ側にあってはならない。トルコをこの事態に導いた者たちは、恥じず倦むことなく、ローザンヌ条約を問題に持ち出している。ローザンヌ条約を議論に持ち出した人々に、はっきりと以下のことを問う。「君は[ローザンヌ条約締結前の]セーブル条約を恋しくなったのか、セーブル条約が必要なのかい?ローザンヌ条約は、国民解放戦争の誇りある証である。その誇りある証に関して我々は議論しない。

■教師のための特別な法律

一国の将来は教育にかかっている。そのために、教育も国民的であるべきだ。自分の子供たちを被験者として使う唯一の国はこの政府とトルコである。教員職業法を出すつもりだ。教師の最低月収は、貧困層の賃金よりも多くなるだろう。

基本的な問題のひとつは経済である。ここ15年、生産することをやめることに導いた。政府は不労所得で儲かる経済をつくりあげた。不労所得者、高利貸し業者に金を支払えば、その影響下に止まろう。彼らはその影響下にあって、まったく抜け出せないでいる。一心同体だからである。我々もその結びつきをムスタファ・ケマルの鋏で断ち切ろう。まず非常事態を終わらせよう。国民は投資を行おう、最低賃金を得る者達からは税金を取らないであろう。

■今は壁を破壊する時だ

憲法は棚上げとなり、権力分立の原則は実際終止符を打った。トルコは、民主的・世俗的・社会的法治国家から、まず政党政治に、現在は王朝国家になった。この体制を崩すことが我々の役目である。国民投票で我々は勝利し、皆も勝利した。しかし高等選挙評議会(YSK)の中に場所を占めた徒党の連中は、無効票も有効票として数えた。その集団からも今後責任を問うつもりだ。『正義の行進』を実現させた。正義の腐敗を世界に示した。マルテペでは我々の前に壁があった。約束は約束である、その壁を我々が破壊する。彼らの壁で我々には何の関係もない。我々を彼らは恐れている。なぜなら彼らの威圧全てに我々は抵抗し、彼らや彼らの専門家を恐れていないからだ。今がその壁を壊し、歯車を変える時だ。今こそ権利、法、公正の時だ。」

■気に入らない、従わない

大会で党首候補として話す、ヤロヴァ選出議員のムハッレム・インジェ氏は総じて以下のように述べた。

「CHPには不可侵の者がいる。私は気に入らないし、従わない。

 ドルマバフチェのイマームが『私はイスラム教徒です。嘘はつきません。彼らはモスクで飲酒しません』と言い続ければ、そのイマームの側に我々は立つだろう。マラティヤでアレヴィー派の家に印を付けられば、我々は何かするだろう。ウルデレの子供達の上に爆弾が降り注げば、『クルド人達には何もしない』とは言わないだろう。ゲズィの抵抗する子供たちをホテルに入れたとホールディング社長の入札が中止されれば、『私は左派である。ホールディング社長がどう関係あるんだ』と我々は述べない。理不尽さを被った際には公正発展党(AKP)議員にも何かするだろう。

国会議員の不逮捕特権が最近の課題になった。当初、党首は、『憲法に反するが、賛成と投票する』と言った。恐れているのは次のことだ。 『人民の民主主義党(HDP)が反対と言っている。我々もノーと言えば、HDPと同じと見なされる。』そう見ればいい。クルド人は正しいことを言っているのではないのか?

絶えず約束を破る与党の一方で、絶えず敗れる野党がある。人びとはCHPの議員たちに満足している。『このままにしよう』と言っている。このままにはならないだろう、我々の狙いは過半数を一%でも越えることである。我々の狙いは大統領職だ。

(エルドアンが自由シリア軍を国民軍に例えたことは)歴史にたいする無知で、『自由シリア軍は国民軍』と口にしている。世界指導者気取りの者は、抵抗しているつもりの帝国主義者勢力のパンに油を塗っていることに気付いていない。」

■党大会の注目点、公正の主張

CHP第36回定例大会の開始数時間前に、トルコ全土から訪れた党員が広間を埋めた。大会が行われるアンカラ・アリーナ・スポーツサロンに通じる全ての道は、トラックで一杯になった。国民は異なる3つのチェックポイントを通って広間に到達できた。

ステージの後ろにある画面に大統領タイイプ・エルドアンと首相ビナリ・ユルドゥルムの「クルチダルオールよ、」「聞け、聞け」という言葉が述べられたクリップが度々流されると、党員達からのブーイングの声が高まった。

AKPは、CHP定例大会を『ボイコット』し、代表者も送らなかった。AKP関係者は、この決定に、CHPの議員たちも大統領タイイプ・エルドアンが党首に選出された大会に代表者を送らなかったことを理由にした。

大会では、頻繁に10周年マーチと民謡が流れる中、観客席を埋め尽くすCHP党員達は皆曲にあわせて旗を振った。

■ベルベロールからのメッセージ

クルチダルオール氏は開幕のスピーチで、ドイツで治療を受けている元党首デニズ・バイカルに見舞いの言葉を述べた一方、逮捕中のイスタンブル議員エニス・ベルベロールのことにも触れた。エスキシェヒル広域都市ユルマズ・ブユケルシェン市長を議事進行役に大会執行部が設けられた。

大会が行われた広間の外では警備対策が講じられた。騎馬警察も警備を行った。

広間では、逮捕中のイスタンブル議員エニス・ベルベロール氏の写真の中にある「いつか自由の身でぜひ会いたい」と書かれたポスターが目を引いた。ベルベロール議員が彼の弁護士を通して送ったメッセージは、拍手で迎えられた。

■彼らは立候補しなかった

CHP党首への立候補を表明した元イスタンブル弁護士協会会長ウミット・コジャサカルと共に元裁判官・検察官協会(YARSAV)オメル・ファルク・エミナーオウル会長は、10%の推薦人の署名を集められなかったため、正式に立候補できなかった。

■署名議論

CHP第36回定例大会では重複署名が議論を生んだ。インジェ氏は、党首候補のために必要な166人の推薦人の署名が書かれたファイルを大会執行部に提出した。推薦人のうち49人が重複署名と主張された。49が無効と数えられた場合、インジェ氏の推薦人からの支持は117人にとどまり、彼が候補から落ちる可能性が明らかになった。重複署名がある推薦人たちは、大会執行部に呼ばれ、誰を支持しているのか問われた。この際に、クルチダル オール氏は、大会執行部に申請状を送り、49人の署名がインジェ氏の票とされるよう要請した。大会執行部では重複署名が調査され、インジェ氏の立候補に問題がないと公表された。

指名を受け、演壇に登ったインジェ氏は、この形で立候補したくないと述べ、「これはAKPのファシズムがCHPに移ったということだ。私は恩典などいらない。私の立候補が推薦人たちの自由意思で行われてほしい」と述べた。

インジェ氏は、国民テレビの生放送でも話した。「私は、国民の心の中で党首となった、路上で、観客席で。最終的に国民が決めます。私が党首に選ばれるのを、目にされるでしょう。」

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( 翻訳者:川田知果 )
( 記事ID:44308 )