パレスチナ:給付金の未払いを受けて病院内の清掃業務が停止、燃料危機に伴い保健状況が悪化
2018年02月12日付 al-Quds al-Arabi 紙
■保健省は医療サービスや患者の生命に対する「深刻な影響」に警鐘を鳴らす
【ガザ:本紙】
ガザ地区の病院で営業する複数の清掃会社は、政府からの給付金を受領できず、再び業務を停止した。業務停止は、保健部門を揺さぶる燃料危機が続く中、患者に及び得る甚大な健康面の危険に警鐘を鳴らすものである。燃料危機により、ここ数日間で19カ所の保健センターが業務停止に至った。
ガザ地区保健省は、同省の管轄下で営業中の清掃会社が、政府からの給付金を受領できなかったため、全保健施設での業務を停止したと発表した。アシュラフ・クドラ保健省報道官は、清掃会社の業務中断は「保健サービスの提供を混乱させた」と述べた。さらに「このサービスの停止には、あらゆる保健サービスに対する深刻な影響が伴うだろう。その影響を受けるのは、病院13施設、プライマリーケアセンター54施設のほか、保健省が管轄する22施設が含まれる」と述べた。
同報道官は、清掃業務の停止によって、外科手術室40室と帝王切開手術室11室で患者のために一日で予定される200件の手術が実施できなくなると明らかにした。さらにこれは、ICUにいる患者約100人や新生児室にいる子ども113人への保健サービスの提供に影響を与えるだろうと付言した。また業務停止が、5カ所の人工透析センターにいる腎不全患者702人に影響を与え、また、各病棟で眠る患者数百人、産婦人科病棟の女性200人以上に向けた保健サービスにも影響を与えることになると述べた。
業務停止は11カ所の血液バンクや50カ所の医学研究所にも及ぶ。そこでは毎日、患者のための数千の医療検査や輸血手術などが実施されている。今回の業務停止は、清掃会社がストライキを再開し、医療センターでの従業員のサービスを停止すると警告していた矢先に発生した。これに先立ち、清掃会社は、先月に始めたストライキを注視していた。政府に課された給付金の一部を受領するためだった。当時、ジャワ―ド・アワード保健相は、この給付金の支払いを約束していたが、全額は支払われていない。
清掃部門では従業員832人が就労しており、彼らは会社に給付金が給付されていないことから、4か月前から賃金を受給していないと不満を表している。保健省は病棟や治療センターに山積した廃棄物の写真を公開した。写真では、人工透析室の血液の汚れが示された。
(後略)
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( 翻訳者:赤司萌 )
( 記事ID:44375 )