AKP内の権力闘争、激化
2018年02月28日付 Cumhuriyet 紙
左からビラル・エルドアン、ベラト・アルバイラク、スレイマン・ソイル
スレイマン・ソイル内務大臣と関与して起こった辞職騒動は、AKP内で長い間あった「派閥化」の表面化とみられている。
AKPでおきた、スレイマン・ソイル内務大臣の辞職騒動が、特にタイイプ・エルドアンが大統領に選任された後党内で起こった権力闘争から起因する闘争が初めて表面化したものと分析されている。党内の上層部では、「ベラト・アルバイラク派」と「ビラル・エルドアン派」が主要な2つのグループとして存在し、下の方では、ソイル氏と元党首のアフメと・ダヴトオール氏に近い国会議員グループがある。アルバイラクチュ派とビラル・エルドアン派の間で激しい闘争がおこっている。この権力闘争は党内で混乱を生じている一方で、「エルドアン大統領は、以前は、親族に、政権と政党で勝手なことはさせなかった。しかし現在は、党の人事から、内閣の決定や官僚の任命を含む様々な事柄で、親族は影響を与えている」という見解が示しされている。AKPの周辺で、党内での権力闘争とこれがもたらす結果について次のように分析が行われている。
■派閥化が増した:タイイプ・エルドアン氏が大統領に選任された2014年8月以降党内で権力闘争と派閥化が始まった。アフメト・ダヴトオール氏が首相になった後、「エルドアン派」と「ダヴトオール派」として分離した派閥化の影響が中党本部でも、党員一般にも党の会派でも、起こった。首相職を退いても、ダヴトオール氏の派閥は小さくても存続している。
■アルバイラクの影響力:エルドアン大統領が、娘婿のベラト・アルバイラク氏を国会議員に当選させ、内閣にいれると、今回新たな派閥化の焦点にアルバイラク氏がなった。エルドアン氏の息子ビラル・エルドアン氏も党人事や、内閣組閣、官僚の任命で影響力を行使しようとしたため、今回は、アルバイラク氏とビラル・エルドアン氏の周囲で派閥化が起こった。時折エルドアン氏の娘であるスメイイェ・エルドアンもいくつか任命に影響を及ぼし、彼女に近い人物が任命されていると言われている。
■激しい闘争:アルバイラク氏とビラル・エルドアン氏の派閥の間では党人事、党組織、さらには党会派に関連し闘争が起こっている。2人の間で起こった闘争は、時折それぞれに近い人々の対立に反映している。アルバイラク氏とビラル・エルドアン氏に近いため任命された何人かの人は、それぞれに対抗している。最初は近しかったが、やがて対立した:閣僚になる前に、アルバイラク氏と親密なスレイン・ソイル内務大臣は、アルバイラク氏と対立した。 両当事者の間の闘争は、しばしば政界で話題になり始めた。 アルバイラク氏との関係を断ったソイル氏が、また、自身の取り巻きを作ろうとしたという論評が行われている。しばしば彼らが多くの問題で、対立していたことが指摘された。
■ソイル氏と市長との対立危機:ソイル氏が辞職する意向を表明した背景にはトラブゾンでのいくつかの投資があったと言われている。オルハン・フェヴズィ・ギュムルクチュオール広域市長が、あるジャーミィ建設計画を、ソウル内相の承認を受け開始したことが明らかになっている。ソイル氏が反対を示したのを受け、同広域市長は、エルドアン大統領にソイル氏について苦情を申し立てた。エルドアン大統領は問題が大きくなると、ソイル氏を含むトラブゾン選出の国会議員を集めて会議を開き、彼らに警告をした。ソイル氏の辞職表明後、エルドアン氏は幾人かを仲介者として使い、また、自らも電話をし、ソイル氏は辞任を撤回した。
■「派閥化」への反発:党内で大小の派閥化が、議員間で困惑と不安を生じさせている。しばしば立ち位置をめぐる混乱も生じている。党内では、「私たちの党首は、以前は、家族が政党や政権に干渉することを許さなかった。 しかし今、反対の状況になっている。 これは今はよくとも、将来には混乱をもたらすだろう。」という見解が表されている。
■トロール問題:党内で派閥化が、ソーシャルメディアで「トロール」と呼ばれるアカウントにも反映している。小さな問題、あるいは一般には知られていない問題でトロールは、互いのイメージ戦略や、優位性の誇示へと向かっている。アフメト・ダヴトオール氏が首相職を失った過程で、ソーシャルメディアで行われた情報操作が、現在、他の派閥化の一環で継続していると評されている。
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( 翻訳者:尾形知恵 )
( 記事ID:44445 )