モロッコ:新しい成長モデル(3)
2018年03月02日付 al-Hayat 紙

◼モロッコには若者の期待に応える成長モデルが必要である(3)

【アガディール;ムハンマド・シャルキー】

独立国民連合は、英語やフランス語などの外国語の利用、最新技術の利用、学校や大学でのコンピュータの普及、学術調査の奨励、国際的な実験や研究への門戸の解放、目覚ましい発展を遂げている人工知能の活用、若者の技能やベンチャー企業への支援を通じた教育カリキュラムの改善を呼びかけている。同党に属する閣僚らの説明によれば、テクノロジーによって、失業率や貧困率を低下させることができるという。つまり、モロッコ国民が、国民の地理的な位置や文明的・文化的な解放が定めるところで、これらの技術に素早く順応し、新しい物事を理知的に対処するという。これらの提案には、モロッコ全国に12校の医科大学を設立すること、医師に遠隔地での就労を推奨すること、保健・治療サービスを国民、特に僻地や山岳地帯の国民にとって身近なものにすることが含まれる。これらは、社会公正と人間としての尊厳を達成する枠組みで行われるという。独立国民連合が提案した新しい成長モデル計画の詳細については、明らかにされなかった。この計画は、「アラブの春」以降に現れた2つの政権が取った政策に代わるものだという。両政権は、イスラーム主義の「公正発展党」が率いた政権であったが、社会分野であまり成果をあげられなかった。

閣僚らはまた、「我々は1年間にわたり、モロッコ人や移民の若者1万人と集まり、彼らの問題を聞いてきた。そして我々は一つの確信に至った。それは雇用・教育・保健がモロッコにおいて対処すべき(絶対的な)優先事項ということだ。なぜならば、それらは病を抱えた分野であり、悪化する前に迅速な治療を必要としているからだ。すでに達成に必要な資金額が決まったとみられる本プログラムの詳細は、3月初旬に発表されるだろう」と付言した。

独立国民連合は、社会派リベラル主義の潮流を汲んでおり、40年の政治経験をもつ中道の政党である。議会のビジネスマンを最も擁しており、フランス大統領エマニュエル・マクロン派とも近い。モロッコ国王ムハンマド6世は、最近の国会で、数年から実施されている成長モデルの成果を批判した。この成長モデルが、もはや若者や女性、働き手の期待に応えるものではなく、格差を固定化し、国家が望む包括的な発展にとって必要な成長を実現しないとみなした。現行の成長モデルは、数年間で経済・工業・商業の面で大きな結果を残したが、これらの結果は恵まれない国民の大くに反映されなかったと述べた。

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( 翻訳者:小島千尋 )
( 記事ID:44450 )