ギュレン派逮捕の元ザマン紙アルパイ氏、釈放
2018年03月16日付 Hurriyet 紙


憲法裁判所総会は、ギュレン派裁判において身柄を拘束していたザマン紙のシャーヒン・アルパイ元記者に関し二度目の権利侵害を決定し、新たな動きとしてイスタンブル第13重罪裁判所に対してアルパイ氏の釈放を請求した。数時間後、第13重罪裁判所はアルパイ氏に「在宅拘留」による釈放を決定した。シャーヒン・アルパイ氏は、夜になってからスィリヴリ刑罰執行機関から釈放された。アルパイ氏は留置所の出口で、妻や子ども、孫らに出迎えられた。同氏は「家族に会えたことを非常に嬉しく思います。しかし、まだ自由の身になったとは言えません。この20ヶ月は困難なものでした」とコメントした。

憲法裁判所は、二度目の権利侵害を決定した後シャーヒン・アルパイ氏の釈放を命じた。憲法裁判所は1月11日に権利侵害を認めたにもかかわらず釈放されずにいるアルパイ氏が、憲法第19条に規定される「個人の自由及び安全保障の権利」が侵害されていること、そして2万リラの損害賠償金の支払いを満場一致で採決した。憲法裁判所が異例の速さで昨晩サイト上に公開した判決文には、最初の権利侵害の決定とは異なる形でアルパイ氏の釈放と権利侵害の撤回が記載された。判決の根拠を示す箇所には、「今回の判例が申請者の拘留状況に終止符を打つことで、権利侵害並びにその結果的状況の撤回を求めてイスタンブル第13重罪裁判所にこの決定が送付される」と記載された。この決定は、こうした側面から初めての判例という特徴を持っている。

■「最終的且つ拘束力のある」

判決では、要約すると以下のように述べられた。「憲法の第153条に則り、憲法裁判所が下した申請者に関する権利侵害の決定が、司法を含むすべての側面から最終的且つ拘束力のあるものであることは明白である。各裁判所の任務は、憲法裁判所の任務やその権限の及ぶ範囲を評議することではなく、憲法裁判所によって指摘された権利侵害やその結果的状況を撤回することである。憲法裁判所が下した権利侵害の決定は、他の訴求によって憲法や法律に則る形で検討されえない。申請者の釈放請求を命じる各裁判所が異なる形で決定を評価することは、憲法上並びに法的な根拠のないものである。申請の中で見つかった権利侵害の性質を考慮し、こうした侵害並びにその結果的状況を撤回することは、申請者の拘留状況に終止符を打つ以外に可能性はないと考えられる。憲法が個人の自由及び安全保障の権利を定める19条3項によれば、逮捕の条件は罪を犯したという『強固な確証』があることである。このため、逮捕が法的に妥当ではないという主張に基づく個々の申請において、この条件を精査することは憲法上の義務である。憲法裁判所による精査は、他の裁判所が出しうる結果とは無関係に逮捕の合法性の評価に限定されている。この点で、申請者に関して下された先の権利侵害の決定が、刑事裁判の基本に関する評価に含まれているとは言えない。」

■欧州人権裁判所に従った決定

憲法裁判所総会は、まず1月11日にシャーヒン・アルパイ氏及びメフメト・アルタン氏の「個人の自由及び安全保障の権利」並びに「表現と報道の自由」が侵害されているとの判決を下した。イスタンブル第13、及び第26重罪裁判所は、釈放請求を拒否した。これに対する異議申立ても却下されたことを受け、弁護士らは再び憲法裁判所に申請した。一方、欧州人権裁判所によるアルタン氏並びにアルパイ氏の申請に関する判決は、3月20日に発表された。こうした動きの結果として、憲法裁判所は3月15日にアルパイ氏の申請を「追加議題」として受理した。

■在宅拘留の条件で

憲法裁判所による2度目の権利侵害の決定が出された後、イスタンブル第13重罪裁判所は昨夜アルパイ氏の拘留状況を改めて審議し、アルパイ氏に関して憲法裁判所が「個人の自由及び安全保障の権利が侵害されており、この判例は申請者の拘留状況に終止符を打つことで、権利侵害並びにその結果的状況の撤回を求めてイスタンブル第13重罪裁判所に送付される」という形で決定を下したことを受け、被告の司法管轄条項を適用する形で釈放を満場一致で決定したと発表した。「1月11日の決定を考慮することが法的に可能であるという根拠により、アルパイ氏の拘留状況継続に関していかなる決定も出されていないという判決を出した」と言及し、「憲法裁判所の決定が拘束力を持つことに疑いの余地はない」と明言した。重罪裁判所裁判官らはアルパイ氏に関し、「国外渡航禁止」及び「外出禁止」の条項からなる司法管轄条項を適用することも併せて決定した。

■夜には釈放された

シャーヒン・アルパイ氏は夜になってようやくスィリヴリ刑罰執行機関から釈放された。アルパイ氏は拘置所の出口で妻や子ども、孫らに出迎えられた。

憲法裁判所のギュレン派裁判において逮捕されたザマン紙の元記者であるシャーヒン・アルパイ氏は、第13重罪裁判所の満場一致の決定を受けて釈放された。夜になってスィリヴリ刑罰執行機関より釈放されたアルパイ氏は、20ヶ月に及び身柄を拘束されていた拘置所から護送車に乗り、クナル料金所へ移送された。そこで自身を待っていた家族と再会したアルパイ氏は、記者らへ会見を行った。

■「20ヶ月という月日は困難なものだった」

アルパイ氏は会見の中で、「家族に会えたことを非常に喜ばしく思いますが、自由の身になれたとはまだ言えません。20ヶ月は非常に困難なものでした。今、私がこうして拘置所から出た瞬間も、私の後ろには何千ものテロやクーデターとは無関係な人々がいます。彼らが自由の身とならずにトルコに自由が訪れることはないと考えています」とコメントした。

アルパイ氏はその後、妻や子ども、孫らとしばし再会を喜びあった。憲法裁判所が自身に1ヶ月間の在宅拘留を命じたと述べたアルパイ氏の家族は、再び喜びに沸いた。彼を待ち構えていた記者らのもとへは行かず、家族へ合図を送ったアルパイ氏は、その後車に乗ってその場を後にした。

拘置所から釈放された74歳のシャーヒン・アルパイ記者は、2016年7月30日に逮捕されていた。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:44502 )