18世紀の巻物写本、グランドバザールで押収
2018年03月30日付 Milliyet 紙


イスタンブル・ファーティフ地区のグランドバザールにある古物商店で行われた捜査で、値踏みできないほど非常に貴重な手書きの系図写本が押収された。この系図写本は、トルコ共和国建国以降発見された手書き写本の中でも最長であり、最も詳細に書かれているものだとされる。18世紀の作品で、長さ8m30cmの手書き写本は、アダムからムハンマドまで、そしてムハンマドの系譜につながる預言者の系図であることが判明した。

オスマン朝時代の文化財を国外へ密輸するという情報を入手したイスタンブル密輸対策課は、グランドバザール内にある古物商と密輸商人を盗聴した。張り込みと盗聴捜査の後、裁判所の令状のもと、密輸商人の拠点とされるゼイティンブルヌの家宅捜査を行った。

■最も長い手書き写本

2カ所同時に行われた家宅捜査で、イニシャルM.A、N.A、H.A. 、M.A.の容疑者が逮捕され、電同地での捜査でさらに異なる時代の品々が3点見つかった。専門家による鑑定で金箔の塗られた紙に書かれたアラビア語の系図写本が注目を集めた。8m30cmの長さで、幅30cmの写本は、トルコ国内で押収された。最も長い写本であることが明らかになった。

■正統カリフと12イマームも記されている

博物館職員及び専門家による鑑定で、アダムから始まる預言者の系図はムハンマドで終わり、最初の預言者たちの名前はそれぞれ丸で囲われており、ムハンマドの名前はトゥーラ(オスマン朝の花押)の形で飾られていたことが明らかになった。また、丸で囲われている名前の中には正統カリフの名前、ファーティマ、12イマームの名前も記されていた。写本には刀型の葉の模様とナツメヤシの木の文様が施され、コーランの節と章が多様な書法で記されており、オスマン朝時代の、少なくとも300年前の非常に貴重な品であることがあきらかになった。

■先端が金色の読み棒

捜査で押収された3点のうちの1つであるコーランの読み棒も歴史的に貴重な品であることがわかった。オスマン朝の宮廷官僚の所有物ではないかと推定され、全体は35cmで、黒檀で作られ、銀でコーティングされており、木彫りも施されている。ヒスイで飾られている先端部分は金で作られていることが判明した。

■「三蔵」一部

押収された最後の品はインドの宗教である仏教の典籍「三蔵」のものとされる70ページの作品であることがわかった。少なくとも300年は経過しているとされ、インド最古の言語であるサンスクリット語で書かれており、木製のな板に挟まれた上質皮紙と革の手書き写本は、おそらく寺院から盗まれたものであると推定されている。

■ヨーロッパの競売にかけられる予定だった

容疑者たちはヴァタン通りのイスタンブル警察署に連行され、取り調べでは、盗品をヨーロッパのオークションで売り出す予定であったことが判明した。引き続きどのような密輸ルートを確保していたのか調査が続けられている。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:44574 )