サウジアラビア:投資としての子育て
2018年03月29日付 al-Hayat 紙

■家族と祖国に適切な子供になるための投資としての子育て(2)

【ジェッダ:アーイシャ・ジャアファリー】

これに対してアーリヤの夫のハーリド・ナージーさんは、家族とコミュニケーションを持たない時、子供は別の手に頼ると考えている。その手とは、家族が子供に与えなければならない庇護があるにもかかわらず、子供が嘘をつき、自己防衛の類として自分の秘密を作ることだという。子供は守られていないと感じると、自分のために自分を守ろうとし、こうした自己防衛が、子供に嘘をつかせ、自分の秘密の箱を作らせるという。そのため、子どもたちに間違いは許されないこと、また子供だけに理想が求められていると子供に感じさせずに、子供の敏感なところに近づき、子供の世界に素直に入らなければならないのだという。

心理学者のナウフ・ガーリブは、嘘をつき続けることの原因は、非常に慎重な子育てにおける両親の権威にあるとする。同氏は「子供の身に起きる最悪なことは、子供たちが機械のように変わってしまうことである。つまり、考え無しに自分に求められているところに従い、適当に返事をしたり、適当に振舞うことである。このことが、子供たちにアイデンティティや個性を失わせてしまい、子供は個性の欠けた人間になってしまう。また、このような盲目的な服従は、子供を監視する中で家族の権威がもたらす壊滅的なマイナス要素の1つである。なぜなら多くの場合、子供の監視は、子供たちを無知で無気力な人間に変えてしまい、子供は気にかけてくれる人を待つ内気な人間になってしまうからだ。子育てを放任せず、子供のことを一から十まで関心を示し、子供の後を追いかけたとしてしても、そうなってしまう。そこで、子育てにおいては中立的な立場に立つ必要がある」と述べた。

精神医療アドバイザーのジャマール・タワイリキー氏は、子育てにおける中立とは愛であると考えており、子育ての基準は昔と大きく異なっているとした。また、家族には二つの策があるとし、一つは厳しい監視、もう一つは監視しないことからの逃走だという。逃走は子育てにおいて最大の間違いの一つであり、むしろ父親は、子供たちに信頼を与え、熱心に関わりあうべきであるとした。これと併せて、正しい子育ての基本に父親を慣れさせ、この仕事を家の使用人やテクノロジーに任せてはならないという。また両親は、この計画、つまり子供たちの第一のマネージャーでなければならないという。なぜなら、良き投資というのは、子供たちが祖国と家族にとって適切な構成員になるために子育てと躾をする中で子供に与える投資だからである。

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( 翻訳者:加納真理佳 )
( 記事ID:44604 )