アックユ原発、これだけの問題
2018年04月07日付 Cumhuriyet 紙
カピチュレーションとは端的に言うと、ある国が別のある国に対し与える特権のことだ。より詳しく言うなら、経済的、社会的、政治的特権が、一方の法制化か、あるいは協定によって与えられること、となる。
8年前、トルコはロシアに対し、国際協定に基づきアックユへの4基の原子炉をもつ原子力発電所建設許可を与えた。もちろん、官報で公表された(2010年10月6日)この国際協定の、冒頭はもとよりどこにもカピチュレーションの言葉が含まれていない。
しかし、トルコが、トルコ電力貿易・契約会社を通じてロシアに与えたキロワットあたり12.35セントでの購入保証をはじめ、アックユ原発をめぐりロシアに保証された便宜を前に、この協定がカピチュレーションだとする評は誇張だともいえない(原発の設計、建設費用はロシアの負担のように見えるが、ロシアが持つべき780億ドル分をトルコが負担するよう求めている。ただ、これは未解決のため、先送りされたことは注記しておこう)。特に欧州がゆるやかな脱・原子力を決めていることと、我が国で更新されている電力エネルギー需要予測に注目すると、アックユ原発には需要ではなく政治的選択が現れている。この巨大規模の建設事業には、ロシアの支援を得る意味と、各企業に仕事の場を与えて政治生命を長らえさせる意味が見て取れる。
■廃棄物の管理は曖昧
廃棄物の管理は、原発の基本的かつ最重要の分野であるにもかかわらず、アックユでは廃棄物をどのように管理するのか明確になっていない。この問題がどのようにして曖昧に放置されてしまったのかは、2010年10月6日付国際協定の「燃料・廃棄物の管理・処分」と見出しが付いた第12条から見てとれる。
第12条
燃料・廃棄物の管理・処分
1.核燃料は、プロジェクト会社-供給者間の長期協定に従い、供給者が保証する。
2.双方で合意する予定の別途協定により、ロシアが用意し使用された核燃料については、ロシア連邦で再処理される。
3.双方は、互いの国家の有効な法と制度が許す範囲で、核燃料、使用済み核燃料またはあらゆる放射性物質の国境を越えた輸送を含め、ただしこれには際限を設けず、核物質の国境を越えた輸送に必要なあらゆる関連する合意、ライセンス、登録、同意の取得についてプロジェクト会社を支援する。
4.プロジェクト会社は、原発にの廃炉と廃棄物の管理に責任を負う。プロジェクト会社は現行のトルコの法と制度に基づき設立予定の各関連基金に必要な支払いを行う。
■国家の機密を外国人が知っている
共和人民党(CHP)エネルギー委員会のネジデト・パミル委員長は、2014年の危機的な進展を指摘する。国際核エネルギー機構はトルコに対し、アックユ原発について39項目の警告を行った。しかし裁判で開示要求したにもかかわらず、それらの警告は「国家機密である」という理由から裁判所に提出されなかったる。パミル氏は、人々の知見が嘲笑されたと話す。「考えてもみて頂きたい。トルコの国家機密が国際核エネルギーの門家らによって用意されている。彼らは国家機密を知っているのに、我々が知ることは望んでまれていないのだ。」
アックユでは継続的な200億ドルの投資が強調されているが、ロシアが15年にわたり12.35セントで販売する電気料収入は、彼らが行う支出を軽く超えているということを忘れずにいたほうが良い。国際協定で8年前のドル相場を参照して設定された12.35セントは、今日の金利状況では恐ろしい価格だ。アックユがカピチュレーションではないと主張する者は、まずは12.35セントが「人々にとって非常に良い値段だ」と言ってのけなければならない。
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( 翻訳者:貝瀬雅典 )
( 記事ID:44611 )