Sedat Ergin コラム:苦境の野党陣営、どうするCHPクルチダルオール
2018年04月21日付 Hurriyet 紙
認めよう、大統領選挙で難しいのは与党側ではなく、野党側だ。その理由は多数ある…与党側の候補は明らかになっている。
さらに大統領レジェプ・タイイプ・エルドアンが、民族主義者行動党(MHP)を味方につけたことによるリードをもち、ゲームプランへのオーナーのように登場している。
昨年の3月16日に実施された憲法国民投票で公正発展党(AKP)とMHPの連立により「Yes」票が51.41%のような大きい集合となったことに着目すると、エルドアン大統領が選挙の第一回投票での勝利するために必要な「50%プラス1」に到達するポテンシャルを少なくとも理論的には有している。
このため、AKPとMHPの連携という点での目標は、優位性が存在する意味で可能ならば第1回投票で結果を出すことだ。しかし、連携により国民投票での51.41%のような成果が同じように繰り返されるという絶対の保証はない。しかしこの目標に到達してしまった場合は記事のこれ以降の部分で検討する可能性はそもそも意味のないものになる。
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野党側については、候補を即座に発表した善良党のメラル・アクシェネル党首を除外すれば、早期選挙へ準備不足のまま臨むことになったことの結果として、公式の候補またはその候補さえはっきりしていない。
野党側の全ての問題は、トルコにおけるAKP-MHP軸以外の政治勢力は前例を見ない形ですべての力を結集し、共通の一人の候補に絞ることに合意できるかどうかという問いにかかっている。
野党は同時に何をどうしても第1回投票の複数の候補がいるトーナメントでエルドアンを第2回投票まで持ち越させるような、かつ共通の候補を第2回投票まで持ち越させるような政治的戦略を立てることが必要である。
ここで印象的な役割を演じるアクターとなるのは-この時点では-共和人民党(CHP)党首ケマル・クルチダルオールとその参謀たちである。
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実際、民主政治の普通の状態では、主たる野党党首というものは、国家運営の頂点である大統領へとなりうる意味をも帯びており、この意味で当然候補である。これに対し、与党が長期にわたり25%の支持率を集めている状況で、有権者の支持は、クルチダルオールが自身の党が持つ力で投票を勝ち抜くことを保証するものではない。
クルチダルオール本人と大統領選挙について議論する友人デニズ・ゼイベキの昨日の記事からわかることとして、クルチダルオールは候補となる意向はない。
CHP党首はその代わりに、-自身の党の中から-「社会のあらゆるところを受け入れられる、サクセス・ストーリーを持つ人間」を出馬させる意向である。クルチダルオールはこの性質を持つ3-5人の候補を考えていると説明している。
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AKPとMHPの連携の力を加算して票の計算を見た場合、候補が持つべき特質は論理的に以下のようになるはずだ。
1-CHPの25%程度の票を固める人物であること。
2-直近の2回の選挙で10%の足切り条項を超えているHDPの票を味方につけること、つまり、クルド人に熱く迎えられる候補でなければならない。
3-この候補は(アクシェネルが第1回投票で第2候補に残らなければ)善良党の-多くはMHP派、少ないものの中道右派のルーツを持つ-支援者の票を集められるようなアイデンティティを持つ人間であること。
4-幸福党を元来支持し、過去においてはAKPへの傾向を持っていたが、近年にはそのナショナリズム的で安全保障重視の発言のせいで現在は同党へ反感を持っている保守派クルド人層も安心する人物でなければならない。
5- 同様に重要であるのは、個人的に国の行く末やAKPの政治のやり方に反感を感じている社会のそれぞれの箇所を動かしていくコンセンサスを創出していかねばならない。
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全ての問題はCHPが自身の関係者の中に、これらすべての期待に応えることができる、社会のすべての箇所を触れることができるような人物を有しているかどうかにかかっている。
クルチダルオールは、この候補を自身の党の中で見つけられなかった場合、目を党外へと向けるだろう。デニズ・ゼイベキが、頭の中にある名前の中にアブドゥッラー・ギュルの名があるかどうかと質問したところ、クルチダルオールが「今のところはない・・・」と答えたことは、この段階では第11代大統領へのドアが完全にしまっているのではないことを示している。
しかしその場合には他の疑問が現れる。その疑問とは、保守的な候補を支持することが議題に上がった場合、CHPの基盤の中でどんな大きさの集団が動くかということだ。
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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:44682 )