大統領選+解散総選挙へ「調整法」提出ーまるでAKP/MHP法
2018年04月22日付 Cumhuriyet 紙
この法案はAKP-MHPの選挙協力の利益のための改正しか含んでいない。
大統領選挙に関連する技術面での改正を含む調整一括法案が昨夜(21日)国会に提出された。国会では、会派を持つ各党の「会派の決定」が条件となった。さらに、ある党の会派が1人以上の人物を大統領候補とすることも却下した。一方で、第2回投票について候補者指名の条件も重視された。第1回投票で2位になった候補者が3位候補の支持に回るための猶予が24時間与えられた。公正発展党(AKP)のムスタファ・シェントプ議員と民族主義者行動党(MHP)のムスタファ・カライジュ議員が署名した、選挙基本規則および選挙人名簿に関する法律といくつかの法律における改正に関する法案がトルコ大国民議会(TBMM)議長に昨夜遅く提出された。大統領選挙に関連した改正を含むこれらの法案の詳細は以下の通り。
・候補者の対立:1つの政党は1人以上の人物を大統領候補として指名できない。ただし、1人の人物が1つ以上の政党の候補となることはできる。対立する候補の調整は、公式に協力体制をとっている政党のみが大統領候補を指名することを可能にする。
・代理候補の 期間短縮:大統領選挙において、第1回投票で1人の候補者が有効票の絶対多数を獲得できなかった場合、投票日から2度目の日曜日に第2回投票が行われる。第2回投票には、最初の投票で最多の票を獲得した候補2人が参加する。改正案によると、この投票に参加する権利を獲た候補者のうち1人の「なんらかの理由によって」選挙に参加できない場合、空いた枠に最初の投票での得票順位に従って候補者の交代が行われる。つまり、最初の投票で3番目に得票数の多かった候補者は、第2回投票に参加することができる。しかし、この期間は改正によって非常に限定される。代理候補の申請は、最初の投票の翌日の17時まで行うことができる。
・24時間以内に:この状況で、AKP・MHP連合に対し最初の投票で得票数2位であった候補者が3位の候補者に協力するというような協力の議論がまとまり、申請が行われるために24時間以内の期間、6月25日17時までの時間が与えられる。
・大統領と議員にともに立候補することはできない:大統領と議員に同時に立候補することはできず、候補者として指名されることはできない。大統領に選出されたものがTBMMの一員だった場合、その資格は終了する。大統領とTBMMの選挙は、5年に一度同じ日に行われる。
・書類不備修正ため5日間:候補者には、出馬のための情報や書類に不備が明らかになった場合、5日間の期間が与えられる。5日以内に不備を修正できなかった政党は、立候補を取り下げたとみなされる。高等選挙委員会(YSK)は、出馬の申請と書類を2日以内に確認する。YSKが却下した候補者は再確認を求めることができる。YSKはこの要望に対し3日以内に結論を出す。
■政党については会派決定による候補
政党会派、または直近で行われた総選挙で単独または複数政党で有効票総数の少なくとも5%を獲得した政党と、最低10万人の有権者が、大統領候補を挙げることができる。推薦は、その人物の書面による承諾に基づく。TBMMに会派を持つ政党は「会派の決定」により、TBMMに会派を持たない政党は関連する諸機関の決定により、大統領候補を推薦できる。YSKによって宣言される期間内に、各党は、候補者の氏名を、承諾の書類、必要なその他の書類とともにYSKに申請する。すべての政党もしくは会派は1人の候補者のみ推薦できる。
■在外有権者にも一定期間
現行法では、在外有権者は選挙の7日前まで投票できるが、大統領選挙が二度目の投票までもつれ込んだ場合、この投票期間が限定される。改正によると、在外有権者は、二度目の投票で選挙の3日前まで投票が可能だ。さらに、在外有権者選挙人名簿に登録されている有権者は、外国にあるあらゆる在外公館で投票できるようになる。在外有権者の予約による投票は投票方法から除かれる。
■10万人の署名による出馬条件
この法案によって、憲法改正により法律システムに新たに導入される、有権者による大統領候補指名の条件と基本が明らかにされている。このプロセスは、有権者によって推薦が望まれた人物が、身分証と公開アドレスの情報を含む申請書と被選挙権に関する書類と、最高レベルの政府の役人への金融上の権利の枠組みで行われるあらゆる支払いの1ヶ月の総額の10倍(つまり13万1000リラ)が、関連する財務担当部門に安全に保管されていることに関する証明書とともに、YSKに本人が申請する。
■議員20人の署名では不十分
以前は、大統領に立候補するためには、会派の決定ではなく国会議員20名の署名で十分だった。新たな条件では、1つの党または協力している党の中で、党や協力外の大統領候補を指名することは不可能になる。
■善良党にMHPの妨害
善良党が選挙参加条件を満たすかどうかの議論が続いている。このため、大統領選に関する調整法案で特別な1つの改正が行われる、組織化のために定められていた6ヶ月間の期間が善良党の選挙参加について3ヶ月といった期間に短縮されることが言及されていた。しかし、このような改正は行われないとみられる。
■YSKは今も「調整」を待っている
選挙の前倒しによって目が向けられたYSKでは、2日間選挙の安全性に関する会議が行われている。それに先立って選挙日程が明らかにされたため、議会による選挙前倒しの決定が待たれていることが述べられたのに対し、YSKが現在も選挙日程に関する素案を準備していることに対し、議会に提案された調整法案が発表されることを期待しているという。一方で、メフメト・カラマン副首相が代表を務める至福党代表団は、YSKを訪問し、選挙の安全性と議会に提案された調整法案に関する見解を伝えた。
■来週可決の見通し
小規模な調整法案は、4月23日月曜日18時に憲法委員会で検討される。この法案が、来週中にもトルコ大国民議会(TBMM)総会で検討され可決されることが期待されている。
■5+5年の後、早期選挙の延長
大統領に3期の門:大統領が5年+5年の最長2期職務につくという条件は、2期目の後、早期選挙が決定された場合3期目への門を開く形で延長された。誰かが最長2回大統領に選出され、しかし大統領の2期目に議会によって選挙の更新が決定されなかった場合、大統領はもう一度候補となりうる。大統領の任期が満了するか、選挙の更新が決定されるか、または選挙が完了できなかった場合、新たな大統領が職務を始めるまで現職の大統領の任期が続くことになる。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:44691 )