エジプト:メトロの運賃が大幅に値上がりし、各地で抗議活動
2018年05月14日付 al-Quds al-Arabi 紙
■エジプト人は「メトロの切符」が原因で、スィースィー大統領に対し蜂起し、政府はムスリム同胞団を非難
■アナリストたちは、「メトロの切符」は次なる革命の口火を切るものであると見なす
■複数の駅でボイコットの呼びかけと抗議のスタンディングデモ
【カイロ:本紙】
カイロで広範で社会的な抗議活動が行われている。これは、ムハンマド・ムルスィー前大統領の解任につながった諸々の事件を経て、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領が同国の政権を掌握して以降初めてのことだ。一部のアナリストは、この抗議を、エジプト市民が直面する深刻な経済状況を理由に同国で起こるかもしれない革命の口火を切るものであると評した。
抗議は、エジプト政府が地下鉄「メトロ」の切符の価格を250%引き上げる発表した直後に始まった。今回の値上げは、ムハンマド・フスニー・ムバーラク元大統領時代の1987年に「メトロ」が開業して以来、最大の値上げである。ちなみに2番目に大きな値上げは、ここ1年間で行われた。
切符の価格は、1エジプト・ポンド(EGP)から2 EGPに既に引き上げられていたが、エジプト政府は先週木曜日(10日)に切符の値上げに関する新しい決定を行った。メトロの切符の新たな料金体系は、「1駅から9駅」までの最初の1区間分が最低料金で3 EGP、合計「16駅」未満の2区間分で5 EGP、「16駅以上」の3区間分は7 EGPとなった。
複数の主要なメトロの駅では、ここ2日間にわたり、抗議活動が続いた。数百名が「マルグ~ヘルワーン間」の複数の駅に押し入り、切符の購入を拒否した。また、数十人が、タフリール広場にある「サダト」駅で、メトロの値上がりを非難する抗議のスタンディングデモを組織した。他方、メトロのボイコットを要求する呼びかけ、また他には「我々は切符を買わずに乗る」というスローガンを掲げた呼びかけも行われた。
(後略)
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( 翻訳者:藤木郁理 )
( 記事ID:44789 )