トルコの重要な穀倉地のひとつであるウルファでは、収穫が始まった穀物に対し不規則な降雨や雹の発生が原因となって収穫が半分になると予想されている。
トルコのレンズ豆の36%、小麦の10%、大麦の11%が生産されているシャンルウルファは、作付面積の点ではコンヤ、アンカラに次ぐ3位である。
秋と冬に干ばつを経験したシャンルウルファでは4月と5月に豪雨と雹が発生し、天水農地で被害を受ける原因となった。
発生天候不順によって天水農業が行われる地域では収穫が始まる穀物の収穫量が例年に比べて落ち込むと見られている。
■不規則な降雨が収穫に影響を与えた
シャンルウルファ農協会長メフメト・シャカ氏は、アナトリア通信に語った所によると、この地域では1年を通して不規則な降雨と地域的に発生した雹が影響して収穫量に悪影響を与えていると述べた。
最近、シャンルウルファの多くの地域で洪水が発生したと述べたシャカ会長は、この状況が、特に収穫が始まった大麦、小麦、レンズ豆に大きな損害を与えたと述べた。天候不順の発生によって、農家が不安を抱えていると述べたシャカ会長は、次のように続けた。
「県全体として生産期間に渡って生じた不規則な降雨、干ばつ、地域的に発生した雹、最後に収穫まで何日か残したとこで発生した洪水という災害は、特に天水農地では稀に見る悪影響をもたらした。
ピスタチオ、綿花、穀物の生産が盛んなシャンルウルファは、災害地域と宣言される必要がある。この他に農家の借金返済を延期する必要があると考えている。昨年1000㎡当たり198㎏の収穫量が今年は大麦で75㎏、小麦では90㎏になると見られている。 これとともに小麦と大麦が弱くやせ細り、質の悪いものになるだろうと考えている。昨年43,971,000㎡で104万4645トン収穫できたが、今年は50%に落ちると見られている。」
会長は、収穫量が半分に落ちることによって価格が上昇する原因になるだろうとし、この問題について措置が講じられる必要があると述べた。
■種の状況悪い
ハラン大学農学部土壌・植生学科アリ・ルザ・オズチュルクメン准教授も実地調査を行って特に穀物の種の質が悪いのを確認したと述べた。
今年の降雨が不規則に起こったことに注意を引いたオズチュルクメン准教授は、「今年は例年より雨が少なかった。天水農地にとって降雨が不規則だった。土壌も植物も水分が不足していた。植物が必要としている時には雨が降らなかった。そのため、生育に問題が生じてしまった。幸いに灌漑地の状態は正常であったが、天水農地では状態が非常に悪くなった。特に、種と穂は必要な時期に水を得られなかった。このため、収穫量が減少すると見込んでいる」と話した。
スルチ郡で大麦の収穫が始まる農家のジュマ・バイテキンさんは、借りている約400,000㎡の畑に大麦の種をまいたが、収穫は播種用の種をも賄わないと述べた。
降雨が少ないことによって収穫が少なかったと述べたバイテキンさんは、「畑を半額で借りた。すべて私の出費である。種、農薬、小作人すべて私が負担した。収穫は始まったが、とても質の悪い種さえ賄えない。この地域で多くの場所がこのように収穫の状態は悪い。灌漑地はよく育った。しかし天水農地はとても状態が悪い」と話した。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:44816 )