読者は次のような疑問を抱く。「中央銀行の決定でドル高は止まるのか、ドルは買い時だろうか、それとも売り時だろうか、今後ドルの価値はどうなっていくのか?」
単刀直入に言えば、売り買いに関してはコメントできない。推測となるが、ドルの状況ついて確認してみよう…。経済学者の分析のようではなく、簡単に説明しよう。
まず第一に、ドル高の理由はいくつかある。アメリカでの金利引き上げ―世界的に利上げの傾向がある―、新興国における通貨価値の下落、原油価格の上昇…。これらすべてが影響している。より明快に説明すれば、このドル高は国内的要因のみならず、国外の状況にも端を発しており、さらに経済の実体とかみ合っていない諸状況もある。同様の事態は2014年、2015年にも、そしてそれ以前にも発生している。つまり、ある時期に我々は、国外の状況が影響する動きに慣れている。現在起こっているのは一時的なことであり、我々の経済成長は続くだろう。
■中央銀行の介入
第二に、1ドル=4.90TL以上だった前日と比べれば、水曜日の状況は好転したといえよう。特に、為替市場の取引終了間際に誰が取引を行ったのか。国内の人間か、国外の人間か。よく分析されるべきだ。一部の人は、私が言いたいことを理解した。あの日、周囲に「ドルを買いなさい。さらに価値が上がるから」という言説を広めた人びとを信じ、1ドル=4.90TL付近でドルを買った人びとがいた。中央銀行が介入した今、彼らはどうするだろうか?長期にわたって手元にドルを保有するのか、それとも売って損をするのか。
■必要な措置が取られた
第三に、中央銀行は後期流動性ウィンドウ金利の基礎ポイントを300引き上げ、16.5%に引き上げたが、これでドル高の火は消えるのだろうか?消える、 実際に消えた。1ドル=4.50TL台になる前に中央銀行がこの措置を講じていれば。以下のことを明らかにしよう。中央銀行は、市場に介入するとともに、当面考えられるレートの急な動きについて再び市場に介入する兆候を発している。例えば6月7日は、この点において重要な日付だ。
ところで、次のことも明確にしておこう。中央銀行のこの動きの後、金利の上昇を批判する者もいた。必要な措置が講じられるべきであり、それは講じられたとしてもだ。さらに、金利の上昇によっても高金利は生まれうる。
第四に、読者の疑問に答えよう。ドルを買うべきか、売るべきか?2日前に噂話を鵜呑みにして購入した人びとの状況は明らかである。
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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:44831 )