イラク:Facebookを通じた臓器売買が活発化(2)
2018年06月12日付 al-Sabah al-Jadid 紙

イラク:Facebookを通じた臓器売買が活発化(2)

■クルディスタンでFacebookを通じた臓器売買が活発化(2)

【バグダード:本紙】

こうした仲介人はFacebook経由で人と知り合い、経済状況や教養のレベルを調べ上げた後、取引を持ち掛ける。

被害者の一人はバグダード出身の若い女性だった。仲介人と知り合った夫から1100万ディナールで腎臓を一つ売るよう説得された。取り調べで夫は、facebookで仲介人と知り合い、腎臓を売るよう妻を説得したと述べた。他人に600万ディナールの借金があり、残りの金で生活水準を上げられるとの理由で妻を説得したという。

また夫は、「仲介人はヒッラ市(バービル県県都)までの迎えの車を寄越した。血液検査を行う研究室で適合検査を受けるためだ。検査結果はスレイマニヤ県に送られる。(移植手術のための)旅程の日程を決めるためだ。」と付言した。

血液検査が行われる前に治安部隊は同集団を摘発した。この集団には前述の被告も含まれている。治安部隊は同被告に臓器売買と自らの腎臓を1000万ディナールで売り渡した容疑をかけた。同被告に協力した者らも、2016年の臓器移送・移植11号法の第18条に基づき逮捕した。

裁判記録によると、こうした活動はほぼクルディスタン地域にある複数の病院で行われている。各県から来た被害者はそこで自身の臓器を売り渡す。同地域に(イラク)連邦当局の監視の目が行き届かないことが、司法機関や治安機関に懸念を抱かせている。

バースィム・アールディー判事は『カダー』紙に対し、「多くのケースで首謀者を逮捕できていない。理由はこのような活動がクルディスタン地域で行われていることだ。そのせいで臓器売買の売人のほとんどが刑罰を逃れており、病院や活動が行われる場所に対する法的措置もとられていない。」と強調している。

同判事はまた、「こうした売人は貧困という状況を食い物にしている。自らの臓器を売り渡す者の大半が住居はおろか生活費すら持っていない。」と付言した。更に「多くのケースは被害者の同意の下で発生している。彼らは自らの身体を売り払ってでも金銭を必要とするほど切羽詰まっている。」と指摘した。

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( 翻訳者:増田まい )
( 記事ID:44950 )