獄中のデミルタシュ候補、ドイツTVのインタビュー
2018年06月22日付 Cumhuriyet 紙


拘束中の大統領候補セラハッティン·デミルタシュはドイツ国営放送ARDにこう答えた。「通常の条件下では人民の民主主義党(HDP)は足切りラインを越えるはずだが…」

HDPの大統領候補であるセラハッティン·デミルタシュは「第一回投票の結果についてどう予測しますか? HDPは10%の足切りラインを突破することができるでしょうか?」という質問に対し、「アンケート調査は我々の背中にナイフが当てられていることを示している。さらに非常事態宣言下であることを加味するとより注意深くならねばならない。通常の条件下ではHDPは足切りラインを越えるはずだが、今のトルコの条件ではラインを突破できないということも考えねばならない。」と答えた。

ドイツ国営放送ARDの質問上に対し、2016年11月4日以来エディルネF型刑務所で拘束中のデミルタシュ氏は書面にて下記のとおり回答した。

刑務所の状況について説明していただけますか。これまでの時間をどのように評価しますか。何らかの圧力や虐待を経験しましたか?

トルコの刑務所の条件は全く良くありませんし、非常事態宣言の発令でさらに悪化しました。私にとって無礼な姿勢はこれまでなかったが、そもそもF型刑務所自体が既に個々を隔離する孤立した環境であり一種の拷問である。他の拘留者、囚人の条件は残念ながら更に悪い。毎日刑務所では重大な人権侵害を受けている状況です。

史上初と言えますが、初めて刑務所からの大統領候補となったわけです。刑務所から選挙キャンペーンをどのように実行する予定ですか?

効力的なキャンペーンを実施出来るような条件下におりません。刑務所での可能性はないといっていいほど少ないです。弁護士経由や郵便でしか外部にメッセージを送れません。私の代わりにHDPと何百万人もの若い友人がキャンペーンを運営しています。私も可能なかぎり支援しています。特にソーシャルメディアを効果的に使用しようと試みています。そもそも、私の声、または党の声を発信できるような場所はソーシャルメディア以外に残っていません。

あなたは何の罪で告発されたのですか?なぜ、大統領候補であるのに未だに刑務所にいるのですか?トルコに正義はあるのでしょうか?このような状況で、今回の選挙は公正と言えるでしょうか?党としてボイコットを考えたことはありませんか?

私の裁判はすべて、エルドアン大統領と政府への批判を含むスピーチ、発言を行ったことによるものです。つまり、私の政治的活動そのものが裁判にかけられようとされているのです。私は単なる囚人ではなく、政治的な人質なのです。何千ものHDP支持者も私と同じ状況なのです。

非常事態宣言下での選挙はもちろん公平ではないが、ボイコットは話にものぼらなかった。ボイコットは、AKPの勝利を金の盆で提供するようなものです。ボイコットはせず、我々の持つすべての力を結集して、この国の民主主義のために戦うでしょう。

平和プロセスはなぜ崩壊したのでしょうか?国とPKKへ期待することは何ですか?平和プロセスが崩壊したことでご自分をも責めていますか?

平和プロセスの崩壊の第一の責任者は政府です。政府が望むならば平和はかなったのです。 AKPは選挙の成功のために戦争に戻ることを選んだ。今、この罪を負うこととなり、トルコ社会は後退している。しかし、振り返ってみると、やったことがAKPにも資したとは言えません。一方、PKKのいくつかの出口方策は、もちろん批判の対象となるはずです。私たちもまたこのプロセスをもっとハンドリングすべきだったのです。また、これは80年間で最初の試みでしたが、しかし最後の機会にはならないのです。失敗から教訓を得ることで、今後新しいプロセスにおいてより効果的に動けるということに確信を持っています。


第1回投票の結果についてどう予測しますか? HDPは10%の足切りラインを超えることができるでしょうか?

世論調査によると、私たちは背中にナイフを突きつけられていることを示しています。 さらに非常事態宣言下であることを加味すると、さらに注意する必要があります。 通常の条件下であればHDPは足切りラインを通過するが、トルコの今の状況下では、ラインを突破できないことも視野にいれねばならない。最後の日まで、私たちはこの意識をもって取り組み、接触できた全ての人にHDPがなぜ足切りラインを突破すべきなのかという理由を説明する必要があります。大統領選挙も1回では終了せず第2回投票まで進む見込みとみている。私は第2回投票まで残る候補者の1人でありたい、そのために尽力しているのです。

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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:44968 )