シリア:ヨーロッパのシリア難民の苦境(2)
2018年08月04日付 al-Quds al-Arabi 紙


■シリア難民は困難な選択に直面(2)

【サーディク・ターイー:本紙】

しばしばトルコとの国境を通じて流入する難民にとりヨーロッパの最初の玄関口とみなされるギリシャでは、同国政府が難民に対して強硬な政策を策定しようとしていることが分かる。すなわち、2017年9月に政府は難民に関する措置を講じたが、これは行政裁判所が、ある危険な判例の中で、シリア難民の強制送還を決定したためだ。750人以上のシリア人が、アテネの「国務院」(最高行政裁判所)と裁判官が下した、ギリシャへと向かう際に通過したトルコへの送還判決の影響を受けた。裁判所はトルコが彼らにとって安全な国であるとみなした。このことを、複数の人権団体は否定しシリア難民がトルコで住居や仕事を得る保証がなく、彼らが侵害や搾取に晒される可能性がある中でそのように想定することは誤りだと強調した。

複数の難民支援機関や人権団体は、シリア難民の権利を必死の努力で保護している。また、数十万人の難民にとってまだ安全ではないシリアの状況の実像を伝えようと試みる複数の団体の声が高まっている。UNCHR(国際連合難民高等弁務官事務所)は、「2018年、シリアの状況は大きく変わらないだろう。すなわち、シリア全土は、直接的、あるいは間接的であれ戦争と暴力の環境の結果、安全でない地帯の一部である。これに基づけば、どの国にも難民の意に反し、彼らを当地に送還する権利はない。」と強調した。

(後略)

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( 翻訳者:藤木郁理 )
( 記事ID:45192 )