■クルディスタン地域選挙の延期要請後におけるクルド諸勢力の立場の食い違い(2)
【アルビール: バースィム・フランスィース】
一方で、「改革運動」は「選挙の延期は正当性を失った組織に正当性を与えることになる」との認識を示し、「期日通りの選挙にとりかかる準備はほぼ完了している」と明らかにした。さらに運動の指導者であるシュールシュ・ハ―ズィー氏は「我々はいかなる延期の言い訳に対して反対の立場をとるだろう」と述べた。
また、同運動の広報組織は与党各党が選挙を2年間延期する了解を取り付けるために奔走しているとして非難する報告書を発表した。この選挙延期の了解は「(クルディスタン愛国)同盟」の要請によるもので、愛国同盟は代理を立てる形で野党が担っている省庁ポストを愛国同盟と民主党の間で再分配することを提案している。また、これに対してクルディスタン民主党は(クルディスタン)地域憲法を起草しそれが承認されること、クルディスタン地域政府の大統領に関する法律の改正を実施すること、さらに共和国大統領の座の代わりにクルディスタン民主党がキルクーク県知事に就任することを(要請を受け入れる)条件としている。
他方で、選挙委員会は9月30日に県議会選挙と(クルディスタン)地域議会選挙を同時実施できるかどうかに関する国会議長らの要求に返答し、次のように述べた。「決定は閣議の権限であり、県、郡、地区の議会選挙法に依拠して、選挙委員会との協議で公表し期日の90日前に宣言しなければならない。」
同時に、選挙委員会は次のように述べた。「域外で選挙を実施することはできないだろう。これには幾多の理由があり、(具体的には)金銭的な理由や、クルド人の人数に関する正確な記録が欠けておりそれが必要であること、(クルド人)コミュニティの地理的な分布に基づいた投票所に関する政府の規定がないこと、関係各国からの合意を得ること、そしてそれはバグダードの統一政府の権限で行われるものであることが挙げられる。」
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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:45215 )