昨日、トルコ・リラは歴史上最も変動の激しい1日を経験した。トランプ米大統領がトルコから輸入する鉄鋼やアルミへの関税を2倍に引き上げるとコメントしたことにより、1ドル=6.8トルコ・リラまで下げた。トルコ・リラにとって、昨日は最も変動の大きい1日となった。米ドルは、昨日だけで一時1ドルあたり6.80トルコ・リラまで高騰し歴史的な高値をつけた一方、ユーロは1ユーロ=7.83トルコ・リラ、ポンドは1スターリング・ポンド=6.80トルコ・リラをつけた。
前日の夜にアメリカとの会談で具体的な進展がなかったことが、米ドルのトルコ・リラに対する高騰を加速させた。1ドル=5.75トルコ・リラあたりで取引を開始したドルは、開始と同時に6.25トルコ・リラまで高騰し、当日の最初の記録を破った。この原因として英フィナンシャル・タイムズ紙は、欧州中央銀行(ECB)が欧州内の銀行が保有するトルコ関連資産のリスクを懸念するとコメントしたことを報じた。当日、タイイプ・エルドアン大統領とベラト・アルバイラク財務相が行った会談に焦点を当てた市場へのサプライズは、ドナルド・トランプ米大統領からもたらされることとなった。
■トランプ米大統領の影響
トランプ米大統領は、トルコからの鉄鋼やアルミに対する関税を2倍に引き上げることを承認したと発表し、アルミには20%、鉄鋼には50%の関税を適用することを明らかにした。トランプ米大統領はツイッターで、「トルコ・リラが強大な米ドルを前に急速に値下がりする中、トルコに対する関税を2倍へ引き上げることをつい先程承認した。米土関係は悪化中だ」とツイートした。このツイートがトルコ・リラの暴落をさらに加速させ、一時1ドル=6.80トルコ・リラの値を付けた。自由市場におけるその日の終値は、米ドルが1ドル=6.39トルコ・リラ、ユーロは1ユーロ=7.24トルコ・リラとなった。
■株式市場も下落
ドルの6大通貨に対する価値を示すドル指数も、昨日年間最高値を出した。96.3まで達したドル指数は、すべての通貨の価値を失わせた。ユーロ/ドルも1.1415という年間最大の下落となった。トルコ・リラの状況は、他の新興国通貨への圧力ともなった。新興国通貨も押しなべて値下がりした。
トルコの2年ものの国債利回りは24.80%、10年ものの国債利回りは22.11%まで跳ね上がった。銀行間市場では、ドルが1ドル=6.4774トルコ・リラ、ユーロが1ユーロ=7.4205トルコ・リラ、ポンドが1スターリングラード・ポンド=8.2839トルコ・リラで取引を終えた。株式市場は、週末最後の取引で2.31%下落の94,939ポイントで取引を終えた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:45217 )