トルコ・リラ危機、中央銀行の対策は?
2018年08月11日付 Cumhuriyet 紙


直近の金利の決定以来、レートは10%上昇した。この上昇はインフレを最低1.5ポイント上昇させる。市場金利は25%に達し、中央銀行の取りうる選択肢は減少している。

トルコリラの暴落を受けて行うべきことについて、経済学者らの警告が続いている。議論されている選択肢の中には、トルコ中央銀行(TCMB)による金利と資産の管理もある。

中央銀行は、7月24日の金融政策委員会(PPK)の会合で、政策金利を確定させた。レートの上昇はこの日以来約10%に達した。各10%ずつの金利の上昇が、インフレ率を約1.5%増加させる可能性があると計算されていた。経済学者らによると、レートのインフレへの影響は、直近の記録によると、さらに増加するという。レートの影響は8月のデータに現れ始める。7月に、年間のインフレ率は15.85%と発表されていた。TCMBの直近のインフレレポートでは、年末の予想インフレ率は13.4%に更新されていた。

■インフレに反映

最近のレート上昇によって、この数字は最低でも14.9%に達する。では、TCMBはこれを回避するために何ができるのか?ロイター紙によると、中央銀行には7つの選択肢がある。口頭での介入、静観、強力な金融政策の反発、通常以外の金融政策、為替への直接介入、そして資産の管理だ。

以前行われた口頭での介入は、レートに対し有効には作用しなかった。TCMBの準備金がすでに減少しているこの時期、経済学者らは外貨の売却を待っている。静観は9月13日の会合まであらゆる対策を取らないということで、TLの暴落を続けさせる可能性がある。資産の管理は、外国から借入せざるを得ないため、可能性は低い。金利政策が新たに単純化されたため、もっとも可能性がある選択肢は金利の増加と見られる。これによれば、TCMBが強力な政策対応を示せば、 独立の懸念は排除しうる。一部の経済学者は、TCMBに500ベーシス・ポイントの増加を期待している。

■借入の不安

エルドアン大統領が「金利ロビー」だと強調しているため、TCMBは金利対策を避けるのではないかと懸念される。TCMBは、インフレへのレートの影響を見ており、必要であれば追加の引き締めを行うと明らかにしていた。

トルコリラ暴落による銀行や外貨を借りている企業、経済全般への影響が心配されている。これが、国際金融市場と銀行の株の下落を招いた。ブルームバーグは、銀行業調整監査機構(BDDK)がトルコ銀行連合(TBB)と会合を行うと主張したが、この主張は、BDDK側からもTBB側からも否定された。

一方、トルコリラ銀行間取引金利として確定される帰属利子を示すTRLİBORは年間24.67%に上り、夜間の割合は18.78%に達した。これは、借入コストが劇的に高まったことを示している。利率はTCMBによる17.75%の政策金利を上回っている。「金利ロビー」が金利の上昇を望んでいるとささやかれているが、TRLİBORとローンの利率の上昇は見落とされている。

■欧米に影響

トルコリラの歴史的暴落は、国外市場にも影響を与えた。外国への借金を理由に、アメリカとヨーロッパの株式市場は後退した。アメリカの株式市場は8月の最大の下げ幅を記録した。ダウ・ジョーンズは0.77%、ナスダックは0.67%、S&P500は0.71%下落した。トルコに参入しているヨーロッパの銀行は、深刻な下落のうちに今週を終えた。スペインのビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)の株価は5.16%、フランスのBNPパリバは2.99%、イタリアのウニクレディトは4.76%下落した。オランダのINGグループの株価は4.31%、香港上海銀行(HSBC)は0.62%後退した。フィナンシャルタイムズは昨日(10日)、「BBVA、ウニウレディト、BNPパリバはトルコでの資金があるため特にリスクをより注視されている」と報じた。国際決済銀行の2017年末のデータによると、この3銀行はトルコで2,240億ドルの対価を得ているという。ドイツ連邦銀行はというと、ドイツの銀行のトルコにおける信用リスクが208億ユーロであると明らかにした。借入の不安によって、ドイツ市場は1.99%、イギリスのFTSEは0.97%、フランスのCACは1.59%、スペイン市場は1.56%、ヨーロッパで600の大企業が上場する STOXX600は1.07%後退した。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:45222 )