F35の計画からトルコを排除することは120億ドルの追加費用をもたらす。F35の2つの主要部品の唯一の供給元がトルコ企業のアイェサシュ(AYESAŞ)である。テロ専門家のシャンツァー氏は「誰か我々に緊急事態計画があることを発言してください」と述べた。また、イスラエルは、F35の部品をトルコの代わりにイスラエル航空産業社、他の2社が生産準備にあると発言し、舞台裏で活動しているという。
米ワシントンに本拠を置くシンクタンクFDDの上級副所長であり、かつて一時期財務省でテロ専門家であったジョナサン・シャンツァー氏は、F35計画からのトルコの排除が危機を生むと主張した。シャンツァー氏は、ソーシャルメディア上で声明を出し、トルコ企業のアイェサシュがF35の2つの主要部品の唯一の供給元であり、もしトルコを排除すれば各方面に悪影響をもたらし、さらに120億ドルの費用を支払う羽目になると述べた。
■この危機は回避できる
ルザ・サッラーフ事件の有識者であり、トルコへの批判的な評価で知られるシャンツァー氏は、「誰か我々にこの共同者に関して緊急事態計画があることを発言してください。トルコの外交政策を注意深く観察している者なら、この危機は防ぐことができる。目下この問題で軍事面での理性を信頼できるようになるものと願っている。」
■唯一の供給元、アイェサシュ社
ワタン紙のイルケル・アクギュンギョル記者の報道によれば、F35戦闘機の2つの主要部品である「ミサイルリモートコントロールインターフェース」「パノラマ式コックピット画面インターフェース」の唯一の供給元はアンカラを拠点とするアイドゥン・ソフトウェア・エレクトロニクス株式会社(AYESAŞ)である。アイェサシュ 社はゾルル財閥の傘下でありF35計画にソフトウェアを供給する唯一の企業であり、F35計画の重要パートナーである。
■トルコ企業の10のパートナー
アセルサン、カレ航空産業、MiKES、アルプ航空産業、ハヴェルサン、ロケットサン、トゥサシュ/タイを含む10社は、F35の部品、電子システムの生産及びエンジンメンテナンスの供給元としての役割を果たしている。F35を操縦する予定のトルコ軍パイロットは現在アリゾナのルーク空軍基地で訓練を継続中である。
■120億ドルの追加費用
計画の中でF35を100機購入する予定だったトルコは、計画の初期から9の参加国の1つとして供給に貢献していた。トルコ企業の貢献は計120億ドルに達すると予想され、トルコの排除は他の国への負担として120億以上かかる可能性があると推測されている。
■2年の損失
先月、ジム・マティス米国防長官は、F35のトルコへの引き渡しを阻止しようとする議会に書簡を送り「トルコなしでは成り立たない」と述べた。マティス長官は「トルコの10企業が計画に参加しており、トルコは100億ドルを投資してきた。私はアメリカ人牧師と[ロシアから購入する]S400ミサイルシステムの問題への懸念を理解するが、トルコなしではF35の生産では多くの支障を被り、2年間の時を失うだろう」と認めていた。
■コスト上昇と生産の遅れ
防衛産業研究者であるアルダ・メヴリュトオール氏は以下のように論評した。
「トルコはF35計画の中で第3レベルのパートナーである。アイェサシュ社はソフトウェアを供給もしている。トルコの貢献しているものは、暫くすればアメリカも供給可能となろう。タイ社は航空機の機体部品の生産を行っているが、アイェサシュ社が生産する部品はより高度なものである。アイェサシュ社の排除が与える悪影響は短期的にはより大きいだろう。トルコ企業の排除は、コストの上昇と生産の遅れの両面で問題を発生させる。部品のサプライチェーンと既存のシステムがあるからである。その代替を行うには時間がかかる。」
■イスラエル「我々がいる!」
一方、トルコへのF35供給停止、あるいは性能が上昇したソフトウェアを搭載せずに引き渡すことを望んでいるイスラエルが干渉しているという。イスラエルが、トルコ企業の代わりにイスラエル航空産業社の他2社にF35の部品を代替生産する準備が整っているして、舞台裏で活動しているという。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:本岡篤也 )
( 記事ID:45259 )