エジプト:インターネット犯罪取締法による表現の自由制限
2018年08月23日付 al-Quds al-Arabi 紙


■エジプトでインターネット犯罪法に対する非難「同法は禁止と検閲を合法化する」
法律専門家「同法は恐怖の国家の柱を完成する」
国会議員「同法を実施するための新たな司法部局」

【カイロ:本紙、ターミル・ヒンダーウィー】

インターネット犯罪取締法への非難が相次いだ。同法は、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領が数日前に承認した。国際組織「国境なき記者団」は、同法に対し警鐘を鳴らした。また、同法が禁止と検閲の行使を合法化し、同国の安全保障への危害が確認された場合に、特定のウェブサイトを禁止することが可能となると述べた。

さらに、「国境なき記者団のサイトは検閲の波から逃れられず、2017年8月に禁止された。エジプト当局は、本件に関して何の説明も通知しなかった」と付け加えた。

また、同国際組織は、「最近の地元紙の報告によると、ここ数か月で数十のニュースサイトが遮断された。これらのニュースサイトが、暴力とテロを煽動しているというのが口実だ。しかし、エジプト当局は、その理由に関してコメントも、明言もしていない」と続けた。また、「当局は表現の自由に対する義務を負っている」と強調した。エジプトの非政府系の人権団体「人権に関する情報のためのアラブ・ネットワーク」のガマール・イード代表は、同法を非難した。また、「同法は表現の自由の制限に留まらず、アブドゥルファッターフ・スィースィー将軍が樹立した恐怖国家の柱を完成させる」と明らかにした。

また、ガマール氏はテレビ演説で、「この国家には国民がいない。国家はデマを拡散している。国家は攻撃と批判を受けるに値する。なぜなら非国民国家も国家だからだ。国民は、哀れだ。毎日欺かれ、惑わされている」と明らかにした。

さらに、ガマール氏は、「専制的な法律に、70年の月日が積み重なっている。これらの法律の目的は、国民の声を隠匿し、表現の自由を奪うことだ」と続けた。

エジプト議会は今年6月にインターネット犯罪法を承認した。同法は、国境なき記者団が非難しており、45条から成る。

エジプトのアシュラフ・スルターン内閣府報道官が述べたところによると、「情報技術犯罪取締法はエジプトで最初の統一法である。同法は、一部の電子サービスセンターで国民の個人データを整理することを定め、個人のアカウントと情報の保護を目的とする。銀行口座やクレジットカードがその例であり、名前や住所だけではない」という。

(後略)

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( 翻訳者:藤木郁理 )
( 記事ID:45263 )