市場待望の金利引き上げはあるか?
2018年09月04日付 Hurriyet 紙

8月のインフレ率は9月3日に予想値を下回ったが、にもかかわらず交換レートには上昇傾向が見られた。これを受けて来週中央銀行が金利を引き上げる兆しを見せたことで、市場はわずかに安定した。

ほぼ全ての市場関係者は、中央銀行が9月3日にインフレ率に次いで行った発表について、「来週、金融政策委員会(PPK)で金利引き上げが行われるだろう」と認識した。しかしながらこの直後に、「中央銀行がわずかな金利引き上げで済ますだろうか。もしかすると、市場が待ち望んでいる4~5ポイントの引き上げをするのではないか」との議論が始まった。市場関係者たちは自分たちが期待するほどの高い金利引き上げがあるのか懸念しているため、交換レートは安定してもなお後退することはなかった。

9月3日になされた発表では、最新のインフレの状況をめぐる展開が物価安定の点で重大なリスクを示唆しており、中央銀行は物価安定を促すために必要な対応をとる予定であると伝えられた。こうした中で最新の状況に注目を払って、9月のPPK会議で財政上の方針が新たに立てられるだろうとされている一方、「中央銀行は、物価安定という根本的な目的に向けて、持てる全ての手段を使い続けるだろう」と言われている。

金融アナリストの中には、金利引き上げは現状では全ての問題を解決できるわけではなく、したがって中央銀行による高率な引き上げは期待していないと述べている者もいる。彼らは、高率な金利引き上げが経済のバランスをいっそう崩す危険があると指摘している。中央銀行はおそらく20%を超える引き上げを行うだろうと推測するアナリストらがいる一方で、さらに高率の引き上げがなされないならば市場の安定は期待するべきでないと主張する銀行関係者らもいる。

高い金利引き上げを要求する者たちは4~5ポイントの増加が必要だとしている。その一方で、この場合に貸し出し金利率のさらなる上昇は必至となるが、喫緊の要事は交換レートの暴走を鎮めることだと主張している。彼らは、低率の引き上げは交換レートの上昇傾向を止めることができないだろうと述べている。

市場関係者の実際の対応は、9月13日のPPK会議後に明らかになるだろう。

■消費者物価指数で17.90%、生産者物価指数で32.13%

2.5%だと見込まれていた8月の消費者物価指数(TÜFE)の増加値は2.3%となり、年間インフレ率も17.90%となった。市場関係者らは年間インフレ率が18%を上回ると見込んでいたが、インフレは市場の期待値に達しなかった。にもかかわらず、インフレの増加傾向は続くといった見解はなくならず、それどころかいっそう強固になった。

なぜならこれらの数値でさえも、2003年に指数が変わって以来最大のものだからだ。他方でコアインフレ率(注1)も、8月に212ベーシスポイント(注2)増加したことで17.22%に上昇した。この数値は2014年以後最大である。

本当に注目を集めるデータは生産者物価指数についてだ。生産者物価指数(ÜFE)は、8月に6.6%といった記録的な増加をしたことで、年間増加率が32.13%に上昇した。ÜFEとTÜFEの差がだんだんと大きくなっていることは、卸売価格が増加しても同程度に消費者へ影響があるわけではないということを示している。このことは同時に、遅かれ早かれ小売価格も増加するということ、つまりTÜFEのインフレ率の増加が速やかに継続するということの兆候でもある。

他方で、小売部門における管理圧力の増大化が、これらのデータによりどれほど議論の余地がある決定かということも自ずと明らかになっている。もはや理解すべきは、問題がさらに根本的な根拠を有しているということだ。問題は、警察的措置、さらには高率な金利引き上げによって解決する点すらも超えて、抜本的な措置と信頼が必要だ。

■コアインフレ率の崩壊は続く

中央銀行が金融政策のためにその経過を追跡しているコアインフレ率のデータでも増加が続いている。トルコ統計機構(TÜİK)が、非加工食品、エネルギー、アルコール飲料、タバコおよび金を除いて算出したBコアインフレ率は、6月の15.01%から、8月には16.95%となった。同様にTÜİKが、 エネルギー、食料品、非アルコール飲料、アルコール飲料、タバコ製品および金を除くTÜFEの変動を考慮せずに算出したCコアインフレ率は、15.10%から17.22%に上昇した。コアインフレ率のこうした推移は、中央銀行をも困惑させ続けた。

注1:物価指数のうち、一時的な要因による物価変動を取り除いた指数のこと。
注2:1ベーシスポイント=0.01%

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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:45329 )