エジプト:市民を悩ますごみ集積場(2)
2018年09月03日付 Al-Ahram 紙

■ごみ集積場 カイロを包囲(2)

【取材:ニールミーン・クトゥブ】

「ギザからワーハ地域に引っ越して来てからの2年を除けば、私は胸の病気などかかったことがなかったわ。」ある住人の女性は我々にこのように話し始めながら、胸部のアレルギーの治療を受けていることを示す処方箋をたくさん見せた。「トゥーブ・ラムリー集積場から毎日出てくる臭いにはもう限界だし、煙で息が詰まって夜明けには起きてしまうんです。」

一方、同地区の住人のひとりで弁護士のムハンマド・マスリー氏は正式な措置を講じた。つまり、1970年法第2475号に基づいて環境相、ナセルシティ東部地区長、カイロ県知事を相手取り、行政裁判所で訴訟を起こしたのだ。同氏は訴状の申し立て内容について次のように述べている。

「我々はワーハ地域、ムカッタム地区、およびタガンムウ・ハーミス(第5集合地区)において、周辺にある2つのごみ集積場の存在に苦しんでいる。一方はワファー・ワ・アマル集積場として知られており、すでに一部に植林が行われたが、もう一方は依然としてそのままだ。」

「また、集積場のごみは固形廃棄物のみであり、有機性廃棄物は含まれていないだろう。ごみ山の内部には、この場所にリサイクル工場を建設しようとしたと思われるスペイン企業の事業所もある。しかし我々の目に映るのは、ごみとプラスチック容器の山々や、ほとんど常に立ち上っている煙、ごみが燃えることによって発生したガスであり、それに加えて視界は遮られている。」

「我々はこの苦しみに終止符を打つため、何年も努力を惜しまなかった。我々は地区や県、環境省に苦情を送ったが返答はない。ナセルシティ東部地区長とも、複数の国会議員を交えつつ会合を執り行ったが、口約束以外の成果は得られなかった。ある時はくつろぎの場や公園になると言われ、またある時は住居が建つと言われた。しかしこの状況は何年も続いた。」

(3)へ続く

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( 翻訳者:増田まい )
( 記事ID:45344 )