瀕死のブルドゥル湖、回復不能か
2018年09月22日付 Hurriyet 紙


科学者らが美しい自然景観を有するブルドゥル湖に関し、最も悲惨な知らせを発表した。湖の縮小はもはや回復不能のレベルに達している。ブルドゥル湖は死んでしまった!

トルコ国内で最も深さのある湖の一つであり、30万羽近い水鳥や固有種の鳥類、そして特に世界で絶滅の危機に瀕しているカオジロオタテガモの約70%の生息地であるブルドゥル湖について進められていた近年の調査で、恐ろしい現実が明らかとなった。湖の貯水量の減少は危機的段階を超えてしまっていると話す科学者らは、この減少過程が人間や動物たちの健康状態に深刻な影響を及ぼすだろうと強く主張した。近年、湖の保護活動を行ったアーティストのタルカン氏も湖を訪れ、支援のメッセージを発信した。

■かつての姿には戻せない

ブルドゥル湖で進められていた調査の詳細についてヒュッリイェト紙に語ったメフメト・アキフ・エルソイ大学(MAKÜ)生物学部水生生物学科教員であるイスケンデル・ギュッレ教授は、「ブルドゥル湖の現状を把握するのに、科学者である必要はありません。なぜなら、湖の縮小状況はかつての姿には戻せないほど危機的レベルを超えてしまっています。もはや、ブルドゥル湖を以前の姿に戻すことは不可能です」と述べた。

■塩分濃度は危機的レベル

貯水量減少をせき止めることはできないと強調したギュッレ教授は、さらに以下のように述べた。「われわれが現時点でできる唯一の方法は、貯水量減少を最低点まで抑えることです。しかし、これができたとしても、10年後にブルドゥル湖がかつての姿を取り戻すことはないでしょう。1980年から現在までに、湖の塩分濃度は40%も上昇しました。10年後にはさらに30%上昇し、塩分濃度は海水よりも高くなると予想されます。ブルドゥル湖を生息地とする鳥類の数は減少し、湖付近の人口も影響を受け、さらに生物の多様性も破壊されるでしょう。」

■夏場の気温も上昇

貯水量の減少は単に動物だけでなく、人間にも影響を及ぼすと述べるギュッレ教授は、さらに以下のように続けた。「夏場の気温も上昇すると予想されます。冬場はより多くの霜が発生するでしょう。湖が縮小し干上がった箇所では砂や塩が風に舞い、それらは居住地まで届くでしょう。こうした状況は、呼吸器疾患や様々な種類の癌、さらには心血管疾患の増加につながると考えられます。」

■地下水も危険に

ギュッレ教授は、さらに次のように発言した。「われわれは、こうした予測を科学的根拠に基づいて行っています。なぜなら、これまでの指摘は世界に前例があるからです。ブルドゥル湖の貯水量減少は、10%が自然減少であり、90%が水道利用による影響です。この問題の劇的な側面は、貯水量が減れば減るほど、われわれはより多くの水を使用する傾向がある、ということです。こうした状況は、地下水をも減少させています。警告します。長期間にわたる水不足問題は、非常に深刻な次元に達することになるでしょう。すでに各省庁は、この危機に気づいています。しかし、もはやこれを解決することは非常に困難です。なぜなら、社会的批判を受けながらも、あふれるほどの水に慣れてしまった市民らの水を止めることなでできないからです。各省庁ができることなど、一つもありません。われわれは、必然的な終わりに向かってただ流されていくだけなのです。」

■「請い願う」

湖近辺の危険度合いについて注意喚起を行ったアリ・オルクン・エルジェンギズブルドゥル県知事は、以下のように発言した。「ブルドゥル住民の一人として、私はみなさんに懇願します。どうか、今、われわれの声を聞いてほしい。ブルドゥル湖の縮小は、信じ難いほどのレベルに達してしまいました。ここでは、明らかな自然災害が起きています。おそらく、ブルドゥル湖をかつての姿に戻すことはできないでしょう。しかし、この縮小過程を今よりも緩和させる方法を見つけることはできるはずです。関係省庁には、どうか行動を起こしていただきたい。われわれも地方行政として、できうる限りすべての努力を捧げるつもりです。」

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:45414 )