■西アジア経済社会委員会(ESCWA)で翻訳の日…翻訳者を祝う
【ベイルート : 本紙】
アメリカ人作家のポール・オースター氏は、翻訳家は文明間での意思疎通を可能にする隠れた立役者であり、彼らによって、我々はどこから来たとしても皆一つの世界に属しているということを理解し、また理解してきたと語る。2018年8月1日、レバノンの専門機関や大学から翻訳や言語の分野の専門家や学生が、ベイルートの国連施設にある西アジア経済社会委員会(ESCWA)本部に集まった。9月30日に国連が挨拶する世界翻訳の日を祝うためである。
今年の式典は、ESCWAの第30回閣僚会議に則って、翻訳におけるテクノロジーのテーマを扱う。この閣僚会議は2018年6月末に開催され、会談内容は持続的成長のためのテクノロジーに集中した。ESCWAの会議課課長のニダール・ヌーン氏の表現によると、テクノロジーの課題が翻訳と同じく全ての分野で必要とされており、「この道具は研究を容易にし、古今の意味の翻訳における個人・集団の記憶の構築を助ける」。翻訳の日の式典は文化的・人間的多様性を特徴とし、その多様性のために活動する国際機関における技術と職業としての翻訳の役割が確認される。国際機関は翻訳家の役割が、国際機関の条約とその原則の強化、国家間の歩み寄り、成長への貢献、世界の安全と平和の強化にあると認識している。
これに際し、応用言語学専門のレバノン・アメリカン大学の英語学科長ヴィクトル・ハシャーン氏は式典に参加し、言語学と翻訳におけるテクノロジーについて話した。学術界からのこうした専門家の参加があるなかで、ESCWA側からは、すべての人に開かれた他の古い分野と同様に、翻訳における最近の発展を探求していく熱意が示された。
9月30日は世界的に翻訳家のための日として知られている。すでに国連は2017年5月24日付の決議に基づき、この日を世界翻訳の日として2017年から公式に定めているている。言語に携わる人々が国同士を結びつけ、平和、相互理解、発展を促進する役割に熟達していることを確認するためだ。
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( 翻訳者:松浦葵 )
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