ヨルダン:イスラエルとの交渉を拒否、問題の「国際化」を示唆
2018年10月23日付 al-Hayat 紙
■ヨルダンはイスラエルとの交渉を拒否、問題の「国際化」を示唆
【アンマン:ムハンマド・ハイル・ラワーシダ】
イスラエルとの平和条約の附則の無効と、バークーラとグマルの土地の返還要求に関するヨルダンの決定がイスラエル政府を狼狽させた。イスラエル政府の反応は揺れており、この2か所の土地の用益期間延長に関してヨルダンと交渉するための用意を表明する一方、ヨルダン政府が新たな条約には関心がないとイスラエル側が評価する中で、ヨルダンへの送水の停止といった制裁措置による牽制が示唆されている。その一方でヨルダンは交渉を拒否し、今次決定は「法律で保障されている」と強調している。だがヨルダンは、二国間の水資源の問題といった条約中の何らかの条項の履行の不備は、国際司法裁判所の管轄下に置かれるとみなし、今次の問題の「国際化」を仄めかしてる。
イスラエルのウリ・アリエル農業(住宅開発担当)大臣は昨日(22日)、ヨルダンへの送水を停止すると威嚇した。同氏はイスラエルの「Channel 1」でのインタビューで、ヨルダンがバークーラとグマル村に関する平和条約の附則が破棄された場合、ヨルダンへの送水を現在の週4日から週2日へと減らすと述べた。また、「イスラエルがヨルダンを必要としている以上に、ヨルダンはイスラエルを必要としている」との考えを示し、この決定に関して思いとどまるよう、ネタニヤフ首相がヨルダンのアブドゥッラー二世国王を説得するよう求めた。
オデド・エラン元駐ヨルダン・イスラエル大使は、今回の決定に驚かなかったと述べた上で、条約に関して両者が再交渉する時間の余地はまだ十分あると語った。その一方でイスラエルの野党は、外交政策の舵取りに失敗し、ヨルダンと複数の危機を意図的に引き起こしたことが、ヨルダン政府による今回の決定を後押したとして、ネタニヤフ首相を非難した。
この問題に関して、ヨルダン外交筋は『ハヤート』紙に対し、バークーラとグマル村に関する附則の破棄の決定にイスラエル側との交渉は必要ないとことを確認した。しかしながら、今次の決定を取るに際しては「用益期間の延長をイスラエル政府が望む場合、ヨルダン側に従うという条件での協議が」必要だと指摘した。またその協議で意図されるところは、あくまで「1920年代に登記された両地域の土地をイスラエルが現在所有することから生じる利益の保障」であり、ヨルダンは「ヨルダンのものではない財産保護の保障に関しては、国内で効力を持つヨルダンの法律の定めるところで」義務を負うと付け加えた。
(後略)
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( 翻訳者:堀嘉隆 )
( 記事ID:45612 )