太陽がラムセス二世王の顔を照らす(2)
【アスワン : ハッジャ―ジュ・サラーマ】
エジプト人が星の動きを観察したことは、恒星と地球の基本方位に基づいて彼らの神殿や宮殿が建設される上で本質的な役割を担った。占星術師は神殿の屋上を天体観察所として使い、そこから星々の動きを追い、時間と日付を記録した。
アブシンベル市に関しては、上エジプトに位置し、アスワンの西部の山の砂岩地帯に彫られ、ナイル川を臨む2つの神殿を持つ。アブシンベル大神殿の正面には王の巨大な座像が4体飾られている。大神殿内の列柱室の壁にはカデシュの戦いの詳しい様子が描かれている。この戦いでは、ラムセス二世がヒッタイトに勝利し、歴史上はじめて平和条約の締結で終了した戦いである。それに加えて壮麗な宗教や生活、戦争の様子も描かれている。
小神殿に関しては、ラムセス二世がネフェルタリ妃を称え建設したものだ。その正面は6体の巨像で飾られている。
上エジプトにアスワンハイダムを建設する際、アブシンベル大小両神殿は水没の危険にさらされた。そこで世界最大規模のプロジェクトのもと両神殿が保護のため高地に移された。ラムセス二世は、深い宗教的意味や民族的な象徴の意味をもち、かつラムセス二世王の勇敢さと功績を歴史に刻む工学的観点からアブシンベル大小両神殿を建設した。
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( 翻訳者:松浦葵 )
( 記事ID:45659 )