エジプト:医薬品不足
2018年11月10日付 Al-Ahram 紙

■医薬品不足の危機、継続的な供給を

【エジプト:アフマド・イマーム】

エジプト市場は近頃、糖尿病患者のためのインスリンやペニシリン、乳児用ミルクが不足し、政府が市場や薬局の不足を補うまで長い間悩まされた。しかしこの事態はまだ収束しておらず、依然として多くの患者が苦しんでいる。そしてその苦しみは闇市場を活性化させ、「弱者」である患者が何倍もの価格で治療薬を購入するという困難を知らしめることとなった。なお、この「市場で不足している」医薬品とは具体的にはパーキンソン病、腫瘍、癌、腎不全の薬やインフルエンザワクチンがあげられる。もし短期的にこれらの医薬品を供給する努力が実を結んだとしても、すぐにそれらの医薬品は姿を消し、再び新たな危機がその姿を現すのだ。

ハーラ・ザーイド保健・人口相は「医薬品不足」を含む早急な介入が必要とされる課題まみれの重たい遺産を引き継いだ。大臣は就任初日から不足している医薬品の供給あるいはその代替となるものを生産するためこの案件に取り組んだ。

医薬品への権利のためのエジプトセンターのマフムード・フアードCEOは以下のように述べた。「エジプトを含む世界の多くの国々は近頃あらゆる市場において基本的な医薬品が不足し姿を消してしまったことに起因する医薬品の危機に悩まされており、患者は薬を探し続けているものの、それは徒労に終わる。この主な原因は、エジプトの多くの製薬メーカーとそれらのメーカーが独占的な政策を行っていることに立ち向かえるような、医薬品に関する最高権力機関が存在しないことに帰せられる。このような機関は世界の多くの国々で存在する。すなわちこの最高権力機関が存在すれば、患者が必要としている医薬品を特定しおよそ40%から50%価格を下げることができる。エジプトの医薬品価格は科学的根拠に基づいていない。『輸入』医薬品の一部が国産品よりも数倍価格の高いことは合理的であろうか?医薬品というものは戦略的商品であり国家の安全保障であるのだ。」

(後略)

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( 翻訳者:大野和輝 )
( 記事ID:45726 )