催涙ガスから逃れるスーダン市民(写真:ロイター提供)
■スーダン:バシール大統領「国民の生活状況につけ込んだ裏切者と工作員がいる」と脅しをかける
【本紙:ハルツーム】
スーダンのオマル・バシール大統領は昨日(25日)、「一部の裏切者、工作員、傭兵および侵略者」がスーダン国民の困難な生活状況につけ込み、スーダンに敵意を持つ者に資するような破壊工作を行ったと批判し、破壊活動を行った者およびそれに追随するようなスローガンを拡散した者を特定すると警告した。
バシール大統領の声明が発表された時点でのアムネスティ・インターナショナルの統計によると、物価の高騰に対する抗議活動が行われた5日間で、治安部隊の発砲によりデモ参加者から37名の死者が出ていた。
バシール大統領は昨日、ジャズィーラ州ワドマダニー市の支持者の前で演説を行い、その中で、政府は「開発・再建プロジェクトの実施」に取り組んでいくとの誓いを新たにした。同大統領は続けて、「我々は、自分たちが経済問題に苦しんでいるということを承知している。しかし、その理由は(経済)封鎖にある」と述べ、「デモ参加者の要求に応えることは、政府の責務である」ことを確認した。
バシール大統領はジャズィーラ州市民を生産者と呼び、デモを呼びかけるSNS上の活動家の存在を指摘しつつ、同市民に対して「裏切者や工作員、ハクティビスト」のことは無視して労働に励むよう呼びかけた。
「スーダン通信社」は、バシール大統領が同州で実施されている開発プロジェクトの視察を開始したと報じた。同州では、保健、教育、道路、電気、水、インフラ、青少年、スポーツ、社会問題、経済セクターの分野において、292の開発およびサービス関連プロジェクトが実施されている。これらのプロジェクトには、29億スーダン・ポンドの資金が費やされている。
ハルツームでは昨日、厳重な警備体制が敷かれた。物価高騰を機に抗議運動の波が起きる中、バシール大統領の退陣を要求して、大統領宮殿に向かうデモ行進の呼びかけがあったことを受けた措置だった。
ハルツーム駐在のAFP特派員が述べたところによると、首都にある大通りの交差点には警棒を所持した警察官が配備された。また、デモ行進が行われる通りを見渡せる建物の屋上にも警察官が配備された。
(後略)
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( 翻訳者:北本芳明 )
( 記事ID:45983 )