湾岸諸国:消失の危機に瀕する湾岸人的ライフスタイルを後世に継承していくために
2019年01月22日付 al-Quds al-Arabi 紙
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湾岸諸国:消失の危機に瀕する湾岸人的ライフスタイルを後世に継承していくために

■憂慮する湾岸人の世代

【本紙】

新しい世代と過去の世代との間には、深い亀裂が横たわっている。この亀裂は心理面・行動面・文化面における隔絶とほぼ等しく、私たちがバランスの取れた状態に至るまでには、長い時間が必要なようだ。かつての生活は艱難と辛苦に特徴づけられてはいたが、湾岸社会の伝統的なイメージは、より自然で自発的なものであった。そして働く人は、海の人であれ職人であれ農耕民であれ、湾岸社会の環境とそのひとつひとつの事物と調和していた。

海で生きる人々は、星の上昇、星が現れる時期や位置を心得ていた。それから、風の季節とその暦を正確に知っており、季節毎の兆候、季節の移り変わりについても知っていた。農耕の民は雨季、作付けの時期、風の名前、風が吹き出す時期を知っていた。定住民である大工はその土地の子であり、家屋や様々な外観の建造物を建てる時に、その環境に適した資材を選んでいた。これらに該当する人々は、私たちが「職人」と呼んでいるところの人々、つまり大工、鍛冶屋、船大工といった人々である。

こうした進歩と、蓄積される文化的・社会的変化の間にある間隙は、いまだに甚大である。あたかもこの間隙が、予期しなかった急激な変化の代償であるかのようである。かくして湾岸の諸社会は、自己を仮想的に定める様々な価値観や文化の結合と関係性から成り立つ世界という小舟の中心に自らを見出したのである。価値観や文化の結合は、このように明確な形で私たちに影響を及ぼした。というのも、私たちはあらゆる面において転換と変動の時期にある。したがって、相矛盾する諸結果に真剣な眼差しが向けられなければ、地域の文化的な表象と表現は、潰滅と逸失の危険に脅かされることになる。必要なことは、それらの表象と表現を独創的な形で、今を生きる文化の中に組み込み、これを現在の世代だけでなく、未来の世代の感情と精神にも生き続けるよう保つことである。湾岸の私たちの諸社会における今日の世代は、これらの吹き荒れる変化の結果生じたものである。それらの変化の中には、管理の出来ないものもある。そのため、今日の世代が転換と変動の時期の特徴をすべて備えていることは自然なことである。その特徴には不安定さと不安が含まれる。またおそらくは意識や行動様式の歪みが含まれ、これらを理解し処置することが求められている。

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( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:46242 )