イスラエル:ナスルッラー師のインタビューに対するあるイスラエル人知識人の考察(1)
2019年02月01日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ナスルッラー師は「イスラエル人たちは私をメディアのキャンペーンに引きずり込みたかったのだ」と弁明

【ヘブライ語記事からの転載:ジャーキー・フージー】

ガザ、ベンヤミン・ガンツ氏、ブラジルでの救助劇、その他盛り上がりを見せている問題は、ヒズブッラーのトンネルの発見以来初めてのハサン・ナスルッラー師とのインタビューによって、すっかり忘れ去られてしまった。ナスルッラー師は大衆に対し、スクリーンからいなくなった2ヶ月の間に同師に投げかけられたあらゆることについて答えただけでなく、沈黙の2ヶ月について「私はイスラエル人たちがメディアのキャンペーンを行っていると知っていた」と釈明した。また、同師は話の冒頭で、「イスラエル人たちは私をメディアのキャンペーンに引きずり込もうとしたので、私は返答しないと決めた」と話した。

(2か月におよぶ沈黙の)本当の理由は後に我々の知ることとなった。つまり、ナスルッラー師はトンネルを失ったことに対する決定的な回答を持ち合わせていなかったのだ。それに加えて、トンネルの喪失に関する議論はほとんど価値がなかった。というのも、(イスラエルとヒズブッラーの)両当事者がそれぞれの利益のためにどのような言葉を駆使したかは重要ではなく、両者がどのような行動をとるかが重要だからだ。

インタビューは3時間15分に渡りレバノンのチャンネル『マヤーディーン』で行われ、ナスルッラー師はインタビューに対し長い間準備をした。同師は事前に自身の書簡や同師が(かつて)使用した表現の一部も準備した。そして同師がイスラエル政府高官の名前に精通していることを示し、また(イスラエルの)一般的な演説をフォローしていることを証明した。確かに、同師は彼の親友でヘブライ語を話すヤヒヤー・サンワール氏(注:ハマースの指導者)のように、我々(イスラエル)のテレビチャンネルを見たりはしないが、必要な情報については十分に提供されている。

3時間15分もの間、一瞬たりとも飽きさせられることはなかった。ナスルッラー師の言葉は豊かで、彼の話は細部に渡り、彼個人としての魅力がある。同師はどのように声量をコントロールするかを知っており、必要に応じて正しいトーンで声を張り上げたり抑えたりしているので、聴き手を疲れさせない。また、同師は豊かなユーモアセンスと、痛烈な皮肉を交えて話す能力に秀でている。法律家たちは同師を評価して、「ナスルッラーは雄弁である」と言っただろう。彼は問題を個々の要素に分解し、説得力のある主張を聴き手に提示する。なお、この地域にはもう一人、このような演説の能力を自在に操る指導者がいる。入念な準備、耳触りの良い演説、ハイレベルな主張。彼の名はベンヤミン・ネタニヤフ首相である。

(2)に続く

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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:46260 )