イスラエル:ナスルッラー師のインタビューに対するあるイスラエル人知識人の考察(3)
2019年02月01日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ナスルッラー師は「イスラエル人たちは私をメディアのキャンペーンに引きずり込みたかったのだ」と弁明

【ヘブライ語記事からの転載:ジャーキー・フージー】

ナスルッラー師は軍事力を誇示するものの、そこに目新しさはあまりない。ちなみにこれは、同師が数年来採用している戦略で、その目的はイスラエルに対して恐怖の均衡を感じさせることにある。目新しいこと言えば、インタビューの中で彼の声のトーンが我々の知っているそれと比べて数段下がっていることだ。「我々は戦争を望まない」と同師は言う。そして同師は我々(イスラエル)が所有する軍事手段を国防計画の一部であると述べた。メディア業界の私の同僚たちは、同師がテルアビブを攻撃すると脅迫したと伝えた。これは正確さを欠いている。同師に気に入られているガッサーン・ビン・ジャドウ記者は、上記のような(攻撃を示唆する)表現を同師から引き出し、「テルアビブは(彼の攻撃の計画に)含まれるのか?」と同師に質問した。かつての同師なら婉曲的に、だが即座に「ことが起これば、あらゆることが可能になる」と肯定的に述べていた。しかし、今日同師はこのような公約を行うことを恐れている。グッシュ・ダンへの攻撃がおそらく問題をもたらしたと同師は知っているのだ。およそ1時間、(ガッサーン記者とナスルッラー師の)両者はトンネルの発見とその影響について話し、同師はイスラエルの功績の価値を矮小化しようと試みた。というのも同師は(インタビューの)冒頭で、これらトンネルは非常に古いものであると述べた(同師の言う限りでは、トンネルのうちひとつは13年前に掘られたものとのことだ)。これは、苦しい言い訳だ。というのも、ハマースは(以前)ガザ地区のトンネルが発見されて以降、同様の言い訳を使っていたのだ。また、彼の言い分に従うと、他にもガラリヤ地方の被占領地に至るルートが複数あり、トンネルが唯一のルートではないとのことだ。なお、これはネタニヤフ首相が「ヒズブッラーがトンネルを通じてガラリヤへの侵攻を計画している」と厳しい批判を行ったことを受けての発言である。そして同師は「恐怖と戦慄は既にパレスチナ北部の入植者たち(ガラリヤ地方の住民)の心に植え付けられた。見ての通り、我々は心理戦において素晴らしい功績を上げた」と述べた。

このように、ヒズブッラーの指導者(ナスルッラー師)は自己弁護的な言い訳を延々と続けたので、聴き手はなぜ大きな自信に満ち溢れた指導者が途切れることなく自分自身を擁護する必要があると感じているのだろうか、と自問した。もし、トンネルの存在が明らかになったことが些細な問題であると考えていたとしたら、この質問は自信に満ちたいくつかの発言で解決し、他の話に進んでいただろう。しかし、同師が疑いを晴らそうとした事柄全てが、より一層疑わしいということが明らかになってしまった。

(4)に続く

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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:46262 )