選挙の動きが活発化し始めた。

エルドアン大統領は20県で集会を開いた。共和人民党（CHP）のケマル・クルチダルオール党首はイズミル、ブルサ、アンタルヤにバトマン県に現れた。メラル・アクシェネル党首は依然として姿を見せていない。

エルドアン大統領と民族主義者行動党（MHP）のデヴレット・バフチェリ党首が3月17日にイズミル、23日にアンカラ、24日にはイスタンブルで合同集会を行うことが決まった。クルチダルオール党首とアクシェネル党首はというと3月6日にデニズリ、7日にアイドゥン、17日にバルケスィルで合同集会を行うつもりだ。

今度の選挙は同時に「戦略が衝突する」選挙としても注視されている。

エルドアン大統領は50近い場所で集会を開くがさらにイスタンブルやアンカラでは特別なキャンペーンを行っている。アンカラの郡であるケチオレン、シンジャン、アルトゥンダー、ママクやエティメスグトでのミーティング準備を整えるエルドアン大統領だが近日中には他の郡も訪れるつもりだ。エルドアンは最後の週にはイスタンブルの各区にも赴く予定である。

CHPのケマル・クルチダルオール党首はというと一大ミーティングの代わりとして支持者の多い選挙区での屋内集会を計画している。クルチダルオール党首はこの選挙でイスタンブル、アンカラ、イズミル、ハタイ、ブルサ、アンタルヤ、アダナにメルシンに重点を置いたキャンペーンを行うつもりだ。これらの県に彼は何回か行く予定だ。

善良党のメラル・アクシェネル党首はデニズリ、バルケスィル、ブルドゥル、ウスパルタそしてデュズジェを重視している。

国民民主主義党（HDP）は異なった戦略だ。南東部で党の影響力が強い地方自治体での再選をめざし、西部では興味深い連合の結成を進めている。HDPはシャンルウルファ、アドゥヤマンで至福党候補者を、ガジアンテプではDSP候補者ジェラル・ドアン氏を支援するつもりだ。西部では公正発展党（AKP）-MHP候補者に対しCHPおよび善良党候補者の中で最も有力な人物を支持していくつもりだ。HDPのペルヴィン・ブルダン共同党首は「AKPとMHPに勝てる候補者を支援しようと考えている」と話した。　

■投票棄権率

選挙に衝撃を与えるファクターの一つが浮動票の割合だ。もはや「この選挙の結果は棄権率が決める」と言えるほど深刻な状態を迎えている。

12月15日～1月1日にかけて実施された調査では浮動票の割合は25-30％だった。では選挙を間近に控えて浮動票のグラフはどうなるのか？私はGENAR研究所のイフサン・アクタシュ所長やAndy-Ar研究所のファルク・アチャル所長、ANAR社のイブラヒム・ウスル社長、Optimar研究所のヒルミ・ダシュデミル所長と話した。

私は各党の得票率は聞かず、浮動票の動きを尋ねた。選挙が近づくにつれ浮動票の割合は減退したと彼らは話した。しかし一定の割合で浮動票は存在し続けるとも言う。市長候補者が発表され、連立候補が現れてから新たな現象が注目されている。「誰にも入れない」と言う割合が増加していることを彼らは指摘している。他の地方選挙では全く正反対のことが起こり、候補者が発表されたとたん、すぐに浮動票の流出が起こったものだった。しかし今度は異なった様相を呈している。候補者発表後の問題や連立のために浮動票は一定の割合を保っている。浮動票の有権者は「経済」の影響を受けている。ある場所では「経済党」が野党党首達より影響力を及ぼしている。現在投票率は85-86％だ。2014年度の選挙ではフェトフッラー系テロ組織(FETÖ)への報復のためこの割合は89％に上がった。これらの理由で3月31日の選挙では投票率は低下すると予測されている。

■浮動票の状態

浮動票の種類は二つあげられる。
１、党を決めかねている人たち
２、どの連立か決めかねている人たち

AKPの浮動票とCHPの浮動票について述べよう。「AKPだけど決めかねている」層は他の党を支持しないことが特徴的だ。彼らはエルドアン大統領が自分たちを改めて説得することを期待している。CHPの浮動票層は候補者の決定プロセスにおいて起きたことと、連立の結果として生じたと見られている。

エルドアン大統領の集会パフォーマンスは知られている。野党党首たちはいまだ3か所での集会を行えていないがエルドアン大統領は1日で3回集会を開いた。集会でHDP党員の演説を見せながら、さらに「クルディスタン」という表現に反論し、MHP有権者を吸収しようとしている。エルドアン大統領が登場するとともに空気が変わり始めたと言われている。しかしながら未だこの選挙で場所、党において誰が勝者となるか分からないことを強調しておく。

浮動票の行方は選挙前最後の10日が注目されている。

Tweet

この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:市野太音 ）
（ 記事ID:46373 )