シリア:反体制派はトランプ大統領の決定がイランやテロリストらへの「無償の贈り物」だと批判
2019年03月27日付 al-Hayat 紙


■シリアの要人はトランプ大統領の決定がイランやテロリストらへ「無償の贈り物」だと見方を示す

【ベイルート:本紙】

シリアの要人*は、アントニオ・グテーレス国連事務総長に書簡を送り、占領下のシリア領ゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認するとしたドナルド・トランプ米国大統領の決定に関して、中東地域におけるイランの拡張主義的政策や過激なテロ組織への「無償の贈り物」だとの見方を示した。

同書簡には、トランプ大統領の宣言が「現代史において類を見ない人道危機」に8年以上も苦しんできた「シリア国民に衝撃を与えた」と指摘したうえで、「超大国の元首による危険な前例だ…。国連原加盟国である一国の領土の一部を他の国に割譲することが、国際法の判例として保証されることが予想される。しかも、シリア人の権利を認めず、占領国であるイスラエルの安全保障を守るという口実でだ」と警告した。

シリアの要人は「この一方的な宣言は、主権の原則に完全に反している」と強調、「シリアの国土の統一と国土に対するシリア国民の主権を全会一致で採択した安保理の諸決議、さらにゴラン高原の地位を占領下のシリア領だと認定した国連の諸決議」を無視するものだと指摘した。また「ゴラン高原で暮らすシリア人数十万人の権利の侵害、全シリア国民が確固として享受する集団的権利の迫害を揺るぎないものとした」を非難した。

一方で書簡は、「米政権がこのような措置に固執することは、この地域で軍事的、政治的にとどまるとして、米国政府が表明しているすべての目標に矛盾している。イランの拡張主義的政策や過激なテロ組織への無償の贈り物となっており、米国の政治的信用を悪化させる」と指摘した。

シリアの要人は「シリア国民はあらゆる合法的手段で占領された地を解放する権利を保持している」と強調するとともに、「グテーレス事務総長が指導する国連が、欠かすことのできない大きな役割を果たし、シリア人の人権を擁護し…、民主的移行のための道を切り拓き、シリアの国土で行われている国内・国際紛争を終結させ、異常な不法行為を制限し、シリア人の前に平和の扉を開け、より良い未来への彼らの希望を支えることを期待する」と指摘した。

(後略)

*要人とは西欧で活動する反体制活動家のハイサム・マンナーア氏らが指導する反体制派のシリア国民民主大会のこと。

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( 翻訳者:馬場響 )
( 記事ID:46535 )