Yalçın Bayerコラム:選挙結果にみる投票者のバランス感覚
2019年04月02日付 Hurriyet 紙
イスタンブルで、共和人民党(CHP)が公正発展党(AKP)からキュチュクチェキメジェ区とエセンユルト区を勝ち取ったことは、CHPにとって大きな成功である。
CHPはアンタリヤ県で、一期ぶりにメンデレス・チュレル氏から市長の座を奪取した。オルドゥ広域市では、元エネルギー大臣のヒルミ・ギュレル氏が勝利し、19の区でも同じくAKPの候補が勝利した。地方行政を担当するセイト・トルンCHP副党首は、自身の選挙区に一切影響力を発揮できず、広域市長と二期の国会議員を務めたトルン副党首が故郷のウルベイ区で自ら擁立したカニ・エルギュン候補は敗れた。CHPが唯一獲得したのは、オルドゥ・ギレスン空港があるギュルヤル区だ。ウラシュ・タカ新区長(28)は、トルコ最年少区長の肩書を得た。ウルギュプ市で二期市長を務めた者は、今回CHPから出馬したが勝利を得られなかった。
■カドゥキョイ区とバクルキョイ区での敗北
イスタンブルのバクルキョイ区では、CHPのビュレント・ケリムオール氏が50%を超える票を獲得し、再び区長となった。アテシュ・ウナル・エルゼン元区長は、善良党から出馬するも2000票しか得られなかった。民族主義者行動党(MHP)は、AKPに票をもたらすことができなかった。シシュリ区では、ムスタファ・サルギュル氏が最大の敗北を喫した。CHPが48%の票を獲得した一方で、サルギュル氏は27%にとどまった。7万票を期待されていたところが3万票しか得られなかったのだ。カルタル区、マルテペ区、アタシェヒル区は、CHPが守った。
候補者選考では党の中央執行委員会(MYK)止まりであったスィリヴリ区長(のオズジャン・ウシュクラル氏は、義父のムハッレム・インジェ氏の厚い応援演説にもかかわらず敗北。2年間ガンと闘病し、選挙期間中は入院していたため演説を行えなかったチャタルジャ区長のジェム・カラ氏も敗北。2人の敗北は、CHP関係者たちに衝撃を与えた。CHPのバクルキョイ区とカドゥキョイ区での敗北も注目を集めた。
■テキルダー県で3敗
トラキヤ地方では、CHPがテキルダーとエディルネで勝利した。しかし、CHPからの出馬者がいなかったクルクラーレリ区では、「無所属」のメフメト・ケスィムオール氏が立候補した。力強い選挙運動を展開し、かつては国会議員も務めたケスィムオール氏が、MHPのデリヤ・ブルト候補と接戦を繰り広げると、抗議が殺到した。選挙結果は朝までに明らかになると予想されている。テキルダー県12区のうち3区長の座が失われ、スレイマンパシャ、ハイラボル、カパクルでは、AKPが勝利した。
ムーラ県のミラス区では、CHPからAKPに移籍したバルシュ・サイラク氏が、現職のムハッメト・トカト氏に敗北した。フェトヒイェ区、ボドゥルム区、マルマリス区ではCHPが、ヤタアン区ではAKPがCHPに勝利した。
タイイプ・エルドアン大統領が人民の民主主義党(HDP)に対して取っている政策は、南東部では支持されたが、その一方で、大都市すなわちイスタンブル、アンカラ、イズミル、アンタルヤでは、反発を受けた。
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( 翻訳者:金戸 渉 )
( 記事ID:46562 )