■ロシア大使はレバノンでの発電所建設を提案
■露軍がシリアに駐留するのはテロとの戦いのためであり、イスラエルとの戦いのためではない

【ベイルート：本紙】

アレクサンドル・ザシプキン駐ベイルートロシア大使は、ロシアが新しい発電所の建設を通じてレバノンの電力問題の解決に協力する用意があると述べた。また中東地域で発生している事柄に対してレバノンとロシアが共有するビジョンについて触れ、ロシア政府は同地域全体レベルでのレバノンの担う役割の強化に関心を持っていると示唆した。

大使のこの発言はレバノン・アメリカン大学のベイルートキャンパスで行われたセミナーでなされたものだ。なお、同セミナーは国際関係クラブの招待で開催され、大勢の学生が参加した。

ザシプキン大使はレバノンのミシェル・アウン大統領のモスクワ訪問の時機について、ロシアのヴラジーミル・プーチン大統領とアウン大統領の両氏の懸案とする議題に加えて、レバノンの政権発足が関係したとの考えを示した。なお、これによりレバノン北部の石油貯蔵庫の再稼働問題に加え、経済問題やレバノンにおけるロシアの役割、ロシア企業によるレバノンでの石油採掘に関する協定への署名について議論の機会が与えられた。

そして、同大使はレバノンの電力危機への対処に関して、ロシアは新たな発電所の建設を通じて支援する用意があると示唆した。

一方、同大使は二国間関係の戦略的次元についても言及し、シリアの避難民問題の解決の為ロシアがレバノンと協力してゆくことを繰り返し強調し、当該問題は「政治的なものであり人道的なものではない」との見方を示した。また、二国間での共同軍事協力協定への署名について問われると、「そのメリットはレバノン側の方がよくご存じだ。ロシアの立場はよく知られている。レバノンが求めるような武器、そしてレバノン軍が認める武器体系に適するような武器を相互に理解した上で、協力する用意がある」と述べた。また、ロシアは「レバノンの固有の懸案についても考慮に入れており、軍事協力の件については両国の専門家が話し合う論点である」と明言した。

(2)へ続く

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（ 翻訳者:堀嘉隆 ）
（ 記事ID:46582 )