サハラ砂漠:砂漠に発電所を建設し、緑を増やす研究が行われる
2019年01月11日付 al-Hayat 紙


■科学者らはサハラ砂漠を湿潤な草原や森に変える研究を行う

【ディヤーウ・ハージュリー】

サハラ砂漠は広大であり、その面積は中国とアメリカを合わせたものよりも大きい。また、世界最大の砂漠であり、不毛の地であり乾燥に苦しんでいるために世界で最も貧しい地域と見なされているサヘル地域が南に接している。その中で、コンピューターを使用したシミュレーション・モデルに基づく科学的研究が登場した。この研究は、サハラ砂漠を緑地へ変え、また降水量を増加させることが可能性であると示唆している。これは、草原や農業の拡大、および飢饉あるいは食糧不足にさらされている近隣のアフリカ諸国に暮らす人々の食糧生産を助けることにつながる。

『サイエンス』誌を含む多くの科学誌が掲載したこの野心的なプロジェクトは、サハラ砂漠の広範囲における太陽光発電所と風力発電所の設置を目的としている。というのも、発電所は周辺地域に良い影響を与えており、平均降水量の増加が可能であると明らかになったのだ。

研究によると、サハラ砂漠の中心では平均年間降水量は1インチ(注:25.4ミリ)未満であるが、太陽光発電所と風力発電所を設置した場合、1日の平均降水量を約1.12ミリ増加させることが可能である。これはギリシアやアルゼンチンの降水量に匹敵する。

アメリカのイリノイ大学のヤン・リー博士は彼が発表した声明において、「この研究は、広範囲に設置された太陽光と風力の発電所が大陸レベルで気候を変化させることが可能であることを示唆している」と述べた。さらに「この変化は平均降水量の増加につながり、そして更なる利点もある。それは、この発電所が大量の電力を生み出すことであり、(具体的には)風力発電からは3テラワット、太陽光発電からは79テラワットに達する電気が生み出される。一方で、現在の世界の電力消費量は18テラワットである」と付け加えた。(1テラワットは1兆ワットに相当。)

(後略)

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( 翻訳者:久保桃歌 )
( 記事ID:46583 )