レバノン:ロシアは発電所建設を通じてレバノンの電力問題解決に協力する用意がある
2019年04月05日付 al-Hayat 紙
レバノン:ロシアは発電所建設を通じてレバノンの電力問題解決に協力する用意がある
■ロシア大使は、レバノンでの発電所の建設を提案
■ロシアのシリア駐留部隊はイスラエルではなくテロと戦うため
【ベイルート:本紙】
アレクサンドル・ザスプキン駐ベイルート・ロシア大使は「我が国は、新たな発電所の建設を通して、レバノンにおける電力問題の解決に協力する用意がある」と述べた。また、「この地域で起きていることに対するレバノン・ロシア間の共通のビジョン」を指摘するとともに、「ロシア政府は地域全体のレベルでレバノンの役割強化に関心がある」ことを示唆した。
同大使のこの発言は、レバノン・アメリカン大学(LAU)のベイルートキャンパスで開催されたセミナーで行われた。このセミナーは、「国際交流クラブ」による呼びかけで行われ、多くの学生が集まった。
ザシプキン大使は「レバノンのミシェル・アウン大統領のモスクワ訪問のタイミングは、ウラジミル・プーチン大統領とアウン大統領の議題に加えて、レバノン政府の発足に関係がある。そして、これは経済的問題、レバノンにおけるロシアの役割に、ロシア企業のレバノンにおける石油採掘の協定への署名、加えて北部の石油貯蔵庫の復旧について議論する機会を提供する」との見解を示した。
また、同大使は「我が国は、新たな発電所の建設を通して電力危機の対処においてレバノンを支援する用意がある」と述べた。
さらに、同大使は「両国間関係の戦略的次元」に言及し、「シリアの避難民問題を解決するためにレバノンとロシアは協力する」を繰り返し強調し、当該問題が「政治問題であり、人道問題ではない」との認識を示した。また、レバノン・ロシア間の共同軍事協力協定の署名に関する質問に答えて「レバノン側こそがその利益を最もよく認識している。ロシア政府の立場は周知のとおりであり、レバノンが求める、またレバノン軍に承認された武器システムに相応しい武器に関して相互に理解したうえで、協力する用意がある」と述べた。また「ロシアはレバノンの特殊性をよく考慮しており、軍事協力は両国の専門家間で審議中だ」と明らかにした。
ザシプキン大使は「ロシアがシリアで実施していることは、シリアだけに限定されるものではなく、中東地域全体を対象とする活動である。ロシア政府はテロとの戦いにおいて、国際社会の取り組みの統一に尽力した」と述べた。
さらに、同大使は中東問題解決の定石と矛盾するため、ゴラン高原におけるイスラエルの主権を承認したアメリカの決定を非難した。
そして同大使は、質問に対して以下のように答えた。「ロシアは中東の諸紛争の当事者ではなく、抵抗の軸とはイスラエルに立ち向かう集団を意味する。一方で、ロシアが和平プロセスの遂行しようと努力し、アラブ・イスラエル紛争において仲裁人の役割を果たしている。また、イスラエルと戦うためではなくテロを撲滅するためにロシア政府はシリアへと軍隊を派遣した。」
( 翻訳者:小泉真歩 )
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