レバノン:住民でさえも知らないであろうベイルート (1)
2019年04月03日付 al-Quds al-Arabi 紙


■住民でさえも知らないであろうベイルート

【本紙:ハサン・ダーウード】

レバノンとフランスのハーフの女性は、(写真に写っている)二人の男性が肉体を太陽にさらしている場所がすぐに分かった。「これは灯台よ」と彼女は言ったが、その写真の中にそれが灯台であると具体的に示唆するものは何もなかった。彼女は「あなた達はこれがどこだか知っている?」と彼女に付いてきている少人数のグループに質問した。そして、彼女はそのグループの人々に思い出させるために、この写真の男たちは、彼らは太陽の下で時を過ごしている小麦色に日焼けした男たちであると言った。展示プログラムの紹介用に準備されたパンフレットの表紙を飾るその写真には二人の男性が写っており、そのうちの一人は祈りのポーズで引き締まった肉体を太陽にさらしていた。もう一人の男性は肉体にオイルを塗るのに熱中している。これは彼の体から放たれる小麦色の輝きを倍増させるためだ。「イスラーム文化センター(Institute of Islamic Culture)」のホールの中では、(先ほどの)展示のように、自分の肉体に夢中な男性達の写真を目にするだろう。そして、先ほどの女性の同伴者の一人が彼女に導かれ、もしくは思い出し、「その男たちをベイルートで見たことがある。彼らは失業中であることをアピールしていたよ、というのも彼らは肉体に気を配る以外に関心ごとがない様子だった」と語った。展示ホールにある写真の一つには、背後にある波の花に合わせて手を高く上げた男性が写っているが、これは彼のスポーツマンらしい体つきを見せるためである。他の写真では、多くの小麦色に日焼けした男性らが、彼らのうちの二人によるボクシングを、娯楽や暇つぶしとして観戦しているのが写っている。

展示会の写真では、男たちがまるで気が狂ったような様子で、肉体の日焼けやケアをしているようであり、また同時に彼らは場所としては街の周辺にいるようだ。つまり彼らは街の境界となっている海沿いの通りの外側にいるが、にも関わらず必要以上に注目を集めているかのようであり、彼らはこの展示会が伝えるベイルートの風景の一つとなっている。また、大判の写真が伝える他の光景が、訪問客が最初の建物に入るとすぐに待ち構えている(近くに第二の建物があり、そこで様々な展示や活動が完結していた)。その写真には「ハーレー・ダビッドソン」のような巨大なオートバイの前に立つレバノン人の警察官達が写し出されていた。これは(ベイルートの)他の姿である。というのも、このオートバイと清潔感や質が類似したオートバイが現実の生活の中では見つからないであろうからだ。まるで、入念に照らし合わせ、似せて描き上げたスケッチのようだ。また、サングラスをかけた警察官の一人は、前述の彼の立派なオートバイにキャッチーな一面を与えている。

(2)に続く

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( 翻訳者:中鉢夏輝 )
( 記事ID:46605 )