レバノン:住民でさえも知らないであろうベイルート (3)
2019年04月03日付 al-Quds al-Arabi 紙
■住民でさえも知らないであろうベイルート
【本紙:ハサン・ダーウード】
レバノンの写真は、レバノンの住人が知っているものもあれば、知らないようなものもあった。マイノリティのブースには、整形手術、つまり性転換手術の映像のテープが流れており、青年が最後の映像では完全に魅惑的な女性として現れる。感銘を受けた来訪者の一人が読み上げたところによると、この性転換手術を執刀したのは、その青年の母親である。その映像テープは一人の個人について伝えたものに過ぎないが、それにも関わらずこの映像は、レバノンの多様な側面の一つとしてとらえるには十分である。
この展示会は、レバノンが汚染や腐敗、混乱の中に沈んでいるだろうという典型的なイメージから全くかけ離れた奇妙さを示すことに骨を折った。一方で、この展示会の運営者たちは、この展示会を立ち上げた理由は戦争から脱却することの難しさであると指摘し、2006年の戦争がその困難の通過点の一つであったと述べた。その通過点が様々なベイルートであり、つまりはそういった通過点の中でマイノリティと呼ばれる者たちが前面に押し出されたのだ。上記で取り上げた人たちに加え、偶然住んでいる人、集まれる場所を手にするようになった使用人たち、同性愛者なども前面に押し出されていた。フランス在住の私の友人が教えてくれたのだが、その展示会の開催に際しては多くの来訪者が押し寄せ盛況であったとのことだ。1400人近くが2つの建物から成る「イスラーム文化センター」を訪れた。この展示会はまる3か月続き、現在のベイルートに関する様々なセミナーや映画上映会、活動が提供される。
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( 翻訳者:中鉢夏輝 )
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