アルジェリア:ブーテフリカ大統領辞任(1)
2019年04月03日付 al-Hayat 紙

■ブーテフリカ大統領は市民の圧力と軍による退任要求を受け、20年間にわたる支配を終える(1)

【アルジェ、ワシントン、パリ:ロイター、AFP】

アルジェリアのアブドゥルアズィーズ・ブーテフリカ大統領は昨日(2日)火曜日の深夜辞任した。20年間続いた同大統領の支配に対する6週間にわたった大規模な抗議活動を受けて、国民のすさまじい圧力に屈した形だ。ブーテフリカ大統領(82歳)の退任発表後、数百人が首都の通りに繰り出した。国民からかけ離れ、縁故主義によって揺らがされた経済を牛耳っていると多くの人がみなしている支配層のエリートを一掃するよう要求していた抗議活動がピークに達していた時のことだった。

アフマド・カーイド・サーレフ参謀総長は先だって、ブーテフリカ大統領の解任に向けて憲法に則った迅速な措置をとることを求めていた。その後、公式テレビ局は衰弱した様子のブーテフリカ大統領が憲法議会議長に辞表を提出する模様を放映した。なお、選挙実施までの90日間国政を担う予定であるアブドゥルカーディル・ビン・サーリフ国民評議会議長もその場に同席していた。

ブーテフリカ大統領は公式メディアが報じた書面で以下のように述べた。「私は共和国大統領としての自身の治世を終わらせる決定をしたことを正式にあなた方に伝える栄誉に浴している。私のこの決断の意図するところは、国民の精神と心を落ち着かせる助けとなるところにあり、アルジェリアにおいて彼らが合法的に希求するより良い未来への完全な移行がもたらされるように願っている。」そして、同大統領は「私は国家の本質的な権限を残し、また個々人と財産の保護を保証したうえで、現状を悪化させる論争を回避し、そして最悪の結果へと滑り落ちてしまわぬようにすることを切に願ってこの決定を下した」と続けた。

国営アルジェリア通信は、軍幹部との会合後の参謀総長の発言として以下の通り報じた。「これ以上時間を浪費している余地はない。憲法第7、8、102条の適用に代表される、(すでに)提案されている憲法に即した解決策、および直接的に憲法の枠内で国政運営を行うことを保証するプロセスを速やかに実行しなければならない。」また、「我々の決定は明確で、不可逆だ。つまり、我々は国民の要求が欠けることなく完全に実現されるまで彼らとともにある」と語った。そして、「この賊たち(注:支配層のエリートやその取り巻きのこと)は非合法な手段によって、だれに邪魔されることもなく短期間に莫大な富を築くことができた。彼らは疑わしい決裁権者らと近しい関係を濫用したのだ」と続け、名指しはせずに複数の実業家について指摘した。

ブーテフリカ大統領の退任表明後、これを祝うために数百人のアルジェリア国民が昨日(2日)深夜、首都の通りに繰り出した。彼らはアルジェリア国旗を振り、また今年2月22日にブーテフリカ大統領に対する大規模な抗議活動に突入した街の中心部の通りで自動車を走らせた。

アルジェリアにおける抗議活動の主導者の一人であるムスタファー・ブーシャーシー弁護士は、「ブーテフリカ大統領の退任決定は事態を何も変えはしないだろう。ゆえに抗議活動は続いている」と語った。そしてロイター通信に対して、「抗議者たちにとって重要なことは、新たな暫定政府を受け入れないことであり、平和的抗議活動は今後も続くだろう」と続けた。

ほとんどの野党はブーテフリカ大統領が先週日曜日に任命した暫定政府を拒否している。暫定政府の大統領が、支配層のエリートたちとと非常に近しい関係にあるヌールッディーン・バダウィー氏であるためだ。またデモ参加者の中には文民の問題に軍が介入することに反対する者もおり、支配層のエリート追放を望んでいる。なお、この支配層のエリートには、仏からの独立戦争の古兵、軍将校、与党の幹部や実業家らが含まれている。

(2)に続く

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:松浦葵 )
( 記事ID:46609 )