トルコはマルメロの生産及び輸出において世界トップのシェアを誇っており、生産量の約60%を占めるサカリヤ県は高い収穫量で国の輸出に貢献している。国際連合食料農業機関(FAO)の2017年データベースによると、マルメロ生産量では174,038トンでトルコが世界トップとなり、その後に112,783トンで中国、109,516トンでウズベキスタンが続く結果となった。
地中海輸出業組合(AKİB)から得られた情報によると、2017年は18,977トンのマルメロが輸出され、昨年はこの数字を上回る19,901トンが輸出された。トルコは昨年、最も多い5,937トンをロシアに輸出し、次いで2,783トンをドイツに、1,794トンをイラクへ輸出した。イラクのあとには、1,408トンでルーマニア、1,142トンでオランダが続いた。
これらの国々だけでなく、輸出先の国の中にはスイスやベルギー、ノルウェー、イスラエル、ドバイ、バーレーン、フランス、クウェートなども含まれ、計39カ国にマルメロを輸出するトルコは、昨年のマルメロ輸出で1,341万8,000リラの収益を得た。
■トルコで生産されるマルメロの58.88%がサカリヤ産
トルコ統計機構(TÜİK)及びFAOの2017年データベースによると、マルメロ総生産量174,038トンの内サカリヤ県が102,476トンを占めた。
トルコで生産されるマルメロの58.88%をサカリヤ県が占める一方、国全体の生産量の内33.9%、且つサカリヤ県内の生産量の内57.57%がゲイヴェ郡で生産されている。トルコで最も重要なマルメロ収穫地であるゲイヴェ郡では、年間約59,000トンのマルメロが生産されている。
アタテュルク園芸文化センターの研究所で行われた分析結果によると、ゲイヴェ郡産のマルメロはジューシーで実が固く、甘さと酸味のバランスが良いことから消費者に好まれているという。同分析では、ゲイヴェ郡の環境要因がマルメロの品質を高くしており、同じ品種でも異なる地域で作られたマルメロでは同じ味や品質は示されなかったと述べられている。
このことから、ゲイヴェ郡産マルメロが世界に認知されることが目標とされている。
ゲイヴェ郡産マルメロの認知度を高めるため、一連の活動を始めたゲイヴェ郡自治体は、商標登録や地理的なマークの申請、見本市やお祭りなどでの広報活動を行い、ゲイヴェ郡産マルメロの認知度アップを目指している。
ゲイヴェ郡のムラト・カヤ郡知事はアナトリア通信が行った取材に対し、マルメロに関する活動を継続していること、郡全体が関心を寄せるすべてのイベントで自治体としてアプローチしていく方針であることを話した。
自治体のロゴもマルメロであると話すカヤ郡知事は、以下のようにコメントした。「自治体としてマルメロに関する商標登録を行いました。この地域では大規模な農業が行われており、約35万トンもの農産物が生産されています。トルコはマルメロ生産量において世界トップであり、トルコ国内ではサカリヤ県が、そしてサカリヤ県内ではゲイヴェ郡がトップです。われわれは郡内でこれほど高い付加価値を持つ生産物であることを評価するという名目で、今回の商標登録を行いました。」
また、見本市やお祭りを開催することでマルメロの知名度や認知度が高まったと強く述べたカヤ郡知事は、これらの活動がマルメロに大きな付加価値をもたらしたと話した。
直近ではイスタンブルで開催された東地中海国際観光博覧会(EMITT)の見本市で「ゲイヴェ郡産」マーク付きのマルメロによる様々な生産物を紹介したと話すカヤ郡知事は、「今後もマルメロに関わる活動を続けていきます。取引市場はオランダですが最大の生産地はわれわれであることから、オランダに関する調査も計画しています。神がチャンスを与えてくださるならば、われわれゲイヴェ郡はゲイヴェ郡産マルメロ、それと合わせてトルコの市場シェア率をもっと高めていきたいと考えています」と述べた。こうした活動が属人的なものとならないよう、ゲイヴェ郡知事府や郡の農業管理局、そして自治体として農業従事者らと会議を行い、ゲイヴェ郡マルメロ生産者組合設立に向けた活動を始めたと話すカヤ郡知事は、このプロジェクトが完了し、憲章が作成され、農林省への承認も申請したと述べた。
一方で、ゲイヴェ郡では検査機関や倉庫が不足していると指摘するカヤ郡知事は、助成金を利用して冷蔵倉庫や検査機関を併せ持つ工場の設立を計画していると述べた。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:46696 )