パレスチナ自治政府、イスラエルによる還付金減額を改めて拒否
2019年04月29日付 al-Quds al-Arabi 紙

■アッバース大統領、イスラエルからの減額された税金の受け取りを再度拒否

【ラマッラー】

パレスチナのマフムード・アッバース大統領は月曜日、イスラエルから支払われる決済済みの減額された税金を受け取ることを改めて拒否した。

アッバース氏が議長を務めるパレスチナ内閣の週例閣議が、ヨルダン川西岸地区の中部にあるラマッラー市で行われ、同氏は「パレスチナ自治政府は数多くの金融危機を経験したが、この危機は最悪のものである。」と語った。

また同氏は、イスラエルは「あらゆる手段を駆使して、金融債務を税金というかたちで法制化しようとしている。」と指摘した。

続けて、「一昨日、ファタハ中央委員会委員であるフサイン・シャイフ氏が、この目的のためにイスラエル財務大臣と面会した。(我々の)立場はこれまで通りだ:パレスチナ側としては、我々にどれだけ負担がかかろうとも、我が国財政のほんの一部でもイスラエルからの負債によって賄われることを今後も受け入れない。」と述べた。

また、「ここ数か月間で公務員に対し給与のうち50%を支払った。翌月初頭には60%を支払おうと努めている。」と話した。

加えて、「イスラエルは本件に関して対話を開始したが、我々の姿勢は明白である。仮にイスラエルが諸般の合意への違反を撤回するのなら、イスラエルと対話し合い、我々の隣人として彼らと生きる準備はできている。」と語った。

パレスチナ民生担当大臣のフセイン・シャイフ氏は自身のツイッターのアカウント上で、一昨日イスラエルの財務大臣モシェ・カハロン氏と会合を開き、イスラエルによる送金の減額直後に発生した財務危機に関する討議が行われたと既に明らかにしていた。

またシャイフ氏は以下のように明言した。「私は彼(イスラエルの大臣)に対し、諸般の合意を逸脱した債務を課す政策下では、決済金の受け取りを断固として拒否することを強調した。」

イスラエルの報道機関は昨晩、イスラエルは約1か月前、パレスチナ自治政府の破綻を防ぐために秘密裏に6憶6千万シェケルをパレスチナ自治政府に送金したが、パレスチナ側は数日前にその全額を返金した、と報じた。

(訳注:オスロ合意に基づき、パレスチナ・イスラエル間の輸出入にかかる関税はイスラエルが徴収し、毎月PAに還付することになっている。しかし、2019年2月、イスラエルはPAがパレスチナ人囚人やその家族に支払っている手当の分の金額を還付金から差し引くと決定した。PAは差し引きを行わずに全額還付すべきとの立場をとり、減額済みのお金の受け取りを拒否している。)


(後略)

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( 翻訳者:今井綾香、中嶋甘奈、二瓶恵理子 )
( 記事ID:46710 )