共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首は、アンカラでCHP所属の自治体首長らに対して演説を行い、イスタンブル市長選の結果を取り消すためにあらゆる種の陰謀が画策されていると述べたうえで、高等選挙委員会(YSK)に対して呼びかけを行った。クルチダルオール党首は 「YSKは政権の圧力に屈するべきではない」と述べた。

CHPのケマル・クルチダルオール党首は、アンカラでCHP所属の自治体首長らに対して演説を行った。

クルチダルオール党首の演説の要旨は以下の通りだ。

我々は、選挙の期間中に述べた内容を実行する必要がある。約束を実行しよう、もう一度選挙が行われたならば、もっと高い得票率で当選しようと。あなたたちは任期の間、社会の全ての人々と共に素晴らしい関係を築くべきです。あなたたちが首長の座に就いたとき、我々は10の原則をあなたたちに送った。これらの原則は何だったか？自治体の首長は断罪するような言葉を使わず、前向きな言葉を使うべきだ。我々はあらゆる種の罪を着せられてきたが、それらをはね返してきた。我々は自分自身を信じている。市民を信じている。市民は着せられた罪をすべて放り投げ、我々に投票した。

■「雇用を創出して安心させる」

あなたたちの時代は、以前に生じた問題が発生するものであってはならない。しかし、不正があればそれらに立ち向かっていくことになる。根拠なき苦情は相手にし ない。雇用を創出し、町の人々を安心させる。誰も仲間外れにしない。知識と能力があるすべての人の受け皿となる。党派的に振る舞うことはない。自治体では一人の人物に政治を行う権利があり、それが自治体の首長だ。首長の任務に就いた人物も党派的に振る舞うべきでない。

■「費やした僅かな金とて清算せよ」

基本原則の1つは次の通りだ。「費やした僅かな金とて清算せよ」

350万もの人々がイスタンブル市議会の審議を視聴している。いくつかの自治体では我々は多数派ではないかもしれない。しかし、誰が正しく誰が間違っているか、すべての人が見るべきだ。

宗教・国家的祝日には、市営バスを無料にする。

保育園、図書館、スポーツ施設…これらはとても重要だ。子供の心を握れば、すべての家族を手にすることになる。子供たちの心配をせよ。自治体の首長は、子供たちにとって必要なことは何でもする。送迎バスの運転手の隣に座り話をすべきである。必要ならば自治体が金を払う。[そうすれば]子供たちは安全に登下校する。

貧困調査を行うべきである。善行は吹聴すべきものではない。誰が貧困状態にあるのか、地区の長らと協力して確かめ、彼らを支援する。貧困状態にある人の自尊心を利用して放っておくということは、我々の信仰の中にはない。

■「選挙の結果を取り消すためにあらゆる種の陰謀が画策されている」

価値ある私の友人たちよ、選挙から今まで１ヶ月以上経過した。すべての選挙は完了し、イスタンブル市長選は完了していない。なぜだ？YSKはまったく決断を下さない。何の理由があってのことだ？YSKに呼び掛けたい、あなたたちは、我々はすべての無効票を数えると言ったではないか。39の区ですべての無効票が数えられたが、結果は変わらなかった。これにとどまらず、6の区ですべての票が数えられた。結果は変わらなかった。なおも反対意見があり、39の区ですべての投票が数えられた。YSKは22の区について、サンプル調査を実施すると述べたが、それでも結果は変わらなかった。YSKは何がしたいのか？投票できない人々が投票したという、なぜ投票前に反対意見を唱えなかったのか？なぜ投票記録にコメントがなされなかったのか。国家権力を背景にした嘘が作られている。あらゆる種の陰謀に対し準備を整えている。YSKはすべての批判を聞くと言っているが、批判が止まなければどうするのか。イスタンブル市長選は、民主主義の分岐点に立たされている。

■「イスタンブル市長選はエクレム・イマムオール氏の勝ちだ」

この投票には奇妙なことがあり、これに抗議しているという。イスタンブルでは確かに何事かがあった、投票所で、という。そう、イスタンブルでは確かに投票所で何事かがあった。選挙に勝ったのはエクレム・イマムオール氏だ。

もし法がなければ国家はどうなる？法は人々の権利を守り、民主主義に不可欠なものの1つだ。法を取り除いてしまえば、国家は犯罪組織へと様変わりする。国家を犯罪組織にしないには、判事が関わっている。いかなる判事も、法を捨て置いて「わかった、イスタンブル市長選の結果を取り消そう」などと言う権利はない。

■YSKに呼び掛け

高等選挙機関に呼び掛ける。

1、YSKは過去に下した同様の決定に準拠する必要がある。

2、YSKは嘘を受け入れるべきではない。

3、YSKは政権による圧力に屈するべきではない。

4、YSKは「勝つまで選挙を行う」という意向を拒絶するべきだ。

トルコに本当の意味での判事は存在するのか、しないのか？我々はこのことを注視する。全世界が注目するだろう。票を数えろと言われれば数え、もう一度数えろと言われれば数える。右左、上下から数えても、結果は変わらない。勝者はエクレム・イマムオール氏だ。この国には公正さが必要だ。

5、YSKのメンバーは上にいる者の権利ではなく、法を遵守すべきである。そうでなければ公正さは広がっていかない。

6、YSKは、政権が民主主義に相反する形で作り上げた陰謀を拒絶すべきだ。

Tweet

この記事の原文はこちら

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:神谷亮平 ）
（ 記事ID:46727 )